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トゥーロン準優勝が日本に残すもの。
「本気のブラジル」に挑んだ勇敢さ。
posted2019/06/17 12:00
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
Getty Images
準決勝に次ぐPK戦。ピッチ上には緊張感が漂っていた。
ブラジルが先に蹴り、日本が後に蹴る。ブラジルが5人目まで決め切って、迎えた日本の5人目だった。準決勝と同じ5番目を任された旗手怜央は、前回とは違い左に向かってシュートを放つ。
これに反応したGKイヴァンがボールをキャッチすると、頭を抱える日本と対照的にブラジルには歓喜の輪が生まれていた。
フランスのマルセイユ近郊で行われているトゥーロン国際大会は、開幕から約2週間が過ぎ、15日に決勝戦を迎えていた。
ここまで4戦全勝、15得点無失点と圧倒的な力を披露してきたブラジルと相対したのは、イングランドやチリ、メキシコを破る快進撃を見せてきた日本。
東京五輪世代の主力選手たちがこぞってコパ・アメリカに招集され、そこから漏れた選手たちが今大会のメンバーに名を連ねていたこともあって、ここまでの成績は、日本にとって快挙と言ってよかった。
当然のように、戦前の予想は“ブラジル圧倒的優位”が占めていた。
バルサなどが保有権を持つ有望株。
ブラジルにはマンチェスター・シティやバルセロナなどが保有権を持つ有望株に加えて、その他にもレバークーゼンやライプツィヒ、サッスオーロやボローニャなど、欧州のクラブに在籍する選手が多数メンバー入りしている。
なおかつ、ここで活躍して海外に出ていこうとする意欲を持った選手たちが揃っており、決勝という舞台を考えても本気のブラジルが向かってくることは間違いなかった。