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コパ初戦のチリはDFの速さが不足?
中島翔哉、久保建英なら攻略は可能。
posted2019/06/17 11:45
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images
国旗とユニフォームの色から、チリ代表チームのニックネームは「ラ・ロハ」(赤)。南米の例に漏れず、国民はサッカーをこよなく愛する。「ラ・ロハ」に熱情と大いなる誇りを抱き、試合の内容と結果に一喜一憂する。
チリは南米選手権(コパ・アメリカ)開始時点のFIFAランキングは16位で、ブラジル(3位)とウルグアイ(8位)には及ばないが、アルゼンチン(11位)とコロンビア(13位)を僅差で追う強豪だ。
南米選手権で採用するフォーメーションは、4-3-3。日本戦の5日前、レイナルド・ルエダ監督が早々と先発メンバーを発表した。
メデル、ビダル、アレクシスは健在。
センターバックは、小柄だが1対1に強くカバーリングも巧みなベテランのガリー・メデル(ベシクタシュ)と、身長193cmで空中戦に抜群の強さを発揮するギジェルモ・マリパン(アラベス)が務める。
中盤の守備の要は粘り強いマークが持ち味のチャルレス・アランギス(レバークーゼン)で、トップ下が「キング」の愛称で国民から崇められるアルトゥーロ・ビダル(バルセロナ)。
3トップが、右から小柄だが思い切りのいいシュートが魅力のホセ・ペドロ・フエンサリーダ(ウニベルシダ・カトリカ)、エースストライカーのアレクシス・サンチェス(マンチェスター・ユナイテッド)、勝負強いエドゥアルド・バルガス(ティグレス)という並びになる。
このうち、すでに10年以上「ラ・ロハ」でプレーして数々の栄光をもたらしてきたメデル、ビダル、サンチェスは国民的英雄だ。
小柄だが俊敏で豊富な運動量を誇る選手たちが、高い位置からボールホルダーにプレッシャーをかけてボールを奪い取る。あるいはパスコースを的確に予測してインターセプトを敢行する。
そして、相手ボールを奪う前、すなわち味方選手の誰かがボールを奪えると判断した時点で、即座に攻撃へ移行。後方から選手が、まるで泉が地表から湧き出るように次から次へと上がってきて、果敢に相手ゴールに襲いかかる――というのが、近年の「ラ・ロハ」が理想とするスタイルだ。