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前田健太が大谷翔平に持つ親近感。
「打って、投げて、走る」のが野球。
posted2019/06/18 07:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Kyodo News
前田健太対大谷翔平。
6月11日、米国で2度目の対戦となった両者の対決は、右中間本塁打と空振り三振に終わった。前田は打者・大谷のポテンシャルの高さに敬意を払った上で、結果についてはこう説明した。
「ちょっと裏をかこうとしすぎたのがありますね。前回(昨年7月6日)の対戦で投げていないボールを選択してしまった」
1回2死走者なし。左打者には直球とチェンジアップを配する攻めが多い中で、フルカウントから選択した1球は外角からのバックドアスライダーだった。82マイル(約132キロ)が少し甘く入ったところを大谷は見逃してくれなかった。
2打席目は2回2死一塁。再びフルカウントとなった。
「裏をかくのをやめたっていうか。自分の自信のあるボールで勝負するのがベストだというのが1打席目でわかったので。ストレートとチェンジアップ。もう、余計なことはしないでおこうって決めました(笑)」
8球目。最後は85.5マイル(約138キロ)のチェンジアップで空振り三振。“裏事情”を明かす中で、先輩の意地を見せた。
これで米国での2人の対決は4打数1安打、1本塁打、2三振。日本時代を含めれば11打数3安打、1本塁打となった。
「打たれたら大変なことになる」
前日、対戦を前に前田は日本報道陣に囲まれた。普段は多くても4、5人しかいない登板前日取材。なのにこの日は20人以上が集まり、テレビカメラも2台いた。メディアの狙いは対大谷であることは言うまでもないが、自分を取り囲んだ今季最多の日本人メディアに前田は常に笑顔で話した。
「楽しみな部分もありますし、もちろんいい打者なので抑えないといけない、頭も使わないといけない。あとはいろんなメディアの人がたくさん書くと思うので、打たれたら大変なことになる(笑)」
今回の対戦後も、常に屈託のない笑顔で答えてくれた前田の姿は印象的だった。同時に前田の大谷への強い思い入れ、2人の距離感の近さも感じた。
それは前田のこんなコメントにも表れた。