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日本で6戦2勝→米3冠レース有力馬。
マスターフェンサーの状態が急上昇。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/06/07 17:00
ベルモントSにエントリーしたマスターフェンサー。日本馬としてアメリカ3冠の舞台で存在感を見せられるか。
「状態は断然良くなっています」
「ケンタッキーダービーから無理をせずにこちらへ来たことで、状態は断然、良くなっています」
そう語ったのは指揮官である角田師だ。
「急遽、決まった遠征だったので、前走のダービーの時はようやく間に合ったという仕上がり具合でした。出国検疫、飛行機での長距離輸送、さらに入国検査と続き、だいぶナーバスになっていましたしね……。それでも最後はあれだけの脚を使ってくれました。使われて順調に上昇度が感じられる今回は、もっと良い走りをしてくれることを期待しています」
4日前の現地6月4日に行われた枠順抽せん会の結果、枠順は3番(10頭立て)となった。この点に関しては次のように言う。
「過去のデータ的には内が有利なようなので良かったと思います。挟まれる不利を考えると、片方だけで済む1番枠がベストなのですが、抽せんの時点で空いているのは2、3、5番だけだったから、どれでも良いという思いでした」
ロスなく回れる内枠は歓迎。
この枠順に「良いと思う」と頷いたのは騎乗するジュリアン・ルパルー騎手だ。
「追い込み馬といえ、ロスなく回れる内枠の方が良いです。道中は内で追走しようと思います」
同騎手は1週前追い切りにも騎乗する予定だったが、ケンタッキーからニューヨークに飛ぶ予定だった飛行機が悪天候で飛べず、調教に乗れなくなった。しかし、現地時間6月5日の朝に行われた最終追い切りでは無事に手綱をとれた。
「手前を替えなかったけど、動きそのものは前走時より良いと感じました」
手前を替えなかった点に関しては指揮官が「元々不器用な馬ですから……」と説明する。
「中間の調教時にも躓いていたけど、器用さがないのでどうしてもそんなことがあります。躓いた件に関しては獣医にチェックをしてもらい、全く問題ないという結論が出たのでその後も普通に調教ができています。手前についても『レースではどこかで替えさせる』とジョッキーが言っていたので、こちらも心配は無用でしょう」