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米ドラ1スチュワート入団の決め手は、
ホークスの恵まれた三軍制度にあり。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byAFLO
posted2019/06/05 12:00
カーター・スチュワート・ジュニアは入団会見で大谷翔平に触れ、「打撃と投球で圧倒している」とも話した。
出場数が確保されやすい好環境。
食事や待遇面も然りだ。以前、川崎宗則がマイナーでプレーしていた時を振り返り、「ハンバーガーリーグってみんな言うけど、違うからね。ハンバーガーが食べられれば御の字。それくらい厳しい環境だった」と教えてくれた。
そして、ホークスは三軍制度を取り入れており、出場数や登板イニング数が確保されやすい環境が整っているのもスチュワート・ジュニアにとっては魅力だった。
気になるのは昨年破談の要因となった右手首の状態だが、「大学でも75イニング(正確には74.1回)に投げている。問題ない」と本人は主張する。短大での戦績は2勝2敗、防御率1.70。投球回数を上回る108奪三振もマークしている。
また、代理人事務所の関係者は幼少期に転んだ古傷を指摘されたとも説明している。
「ブレーブスのメディカルチェックを受けるまで本人も異常があるという認識がなかった。それくらいプレーに関しては問題ないと捉えている。アメリカはビジネスにシビアな国。契約金を少しでも抑えるために問題点をあぶり出してきたのではないか」
ホークスは外国人の層も分厚い。
直球の最速は98マイル(約158キロ)。130キロ台のカーブがかなり独特で武器になるという。体に異常がなく投げられるのであれば早々に戦力として見込めそうだが、ホークスは外国人選手のレベルがかなり高い。
野手でデスパイネとグラシアルが欠かせない存在になっており、リリーフ左腕のモイネロも外せない戦力である。
残り1つの外国人枠を先発でバンデンハークとミランダ、スアレスが競っている状態だ。
スチュワート・ジュニアが“ノーチャンス”と断定するわけではないが、三笠GMも「今年中に絶対に一軍でとは考えていない。将来的に世界を代表するピッチャーに」と願いを込めるように、あくまで将来性を見込んでの獲得だったと強調した。