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米ドラ1スチュワート入団の決め手は、
ホークスの恵まれた三軍制度にあり。
posted2019/06/05 12:00
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
AFLO
ホークスが獲得した昨年の大リーグ・ドラフト1位指名の右腕、カーター・スチュワート・ジュニアが今月1日に来日して、3日に福岡市内で入団会見を行った。
「福岡に来られて興奮しているし、ハッピーな気分でいっぱい。昨日はヤフオクドームで観戦をして、ファンにも声をかけられた。チームのサポートも感じているし、ここまでは順調に来ていると思っています」
順調。そう言って笑顔を浮かべるスチュワート・ジュニア(球団発表の正式表記)だが、彼が選んだのは前例のない道だ。
会見に同席したホークス球団の三笠杉彦取締役GMは「チャレンジ」という言葉を会見中に何度も繰り返し、「投手としての魅力もありますが、今回ホークスに来ることを決めたチャレンジ精神、メンタリティの強さを特に魅力に感じています。19歳の青年が異国でチャレンジするのは大きなこと」と敬意を表した。
出来高達成で13億円はあり得ない額。
各方面で報じられているように、高校生だった昨年の大リーグのドラフトでアトランタ・ブレーブスから1巡目指名(全体8位)を受けながらも、身体検査で右手首の懸念が判明し契約金が減額されたことで入団交渉が決裂。短大に進学してプレーを続ける中で日本行きを決断し、今回のホークス入りが実現する運びとなった。
金の卵とホークスとの契約は6年総額700万ドル(約7億7000万円)近いと言われているが、出来高を含めれば13億円を超える可能性もあるとみられる。これも散々報じられているが、高卒でメジャー球団と契約したと仮定して24歳頃までにこれほどの額を手にすることは「あり得ない」とされるのだ。
日本球界の「ドラ1」12名はほぼ均一に扱われるが、メジャー30球団のドラフト1位は「全体の1番目」か「全体30番目」かで提示される契約金が全く違う。前者は7億円超だが、後者は2億円程度に抑えられるという。