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コパ・アメリカ、U-20W杯の裏で……。
“五輪のエース”小川航基が燃やす闘志。
posted2019/06/05 11:45
text by
望月文夫Fumio Mochizuki
photograph by
Getty Images
東京五輪を目指すU-22日本代表が、トゥーロン国際大会2019(フランス)で躍動している。予選グループ初戦で4年連続優勝を狙うイングランドに2-1で逆転勝利すると、第2戦では同初戦でポルトガルを破ったチリに6-1と大勝。この様子は世界中に配信され、日本代表の価値をさらに高めている。
この大会に、並々ならぬ思いで臨んでいるのが、「東京五輪代表のエース候補」と呼ばれ、この世代をけん引してきたJ1ジュビロ磐田のFW小川航基だ。大事なイングランド戦には先発出場し、惜しいシュートを連発。自身のゴールはなかったものの、逆転劇へとつなぐ流れをつくった。
そのU-22日本代表が発表された5日後に行われた、ルヴァンカップグループステージ第6節清水エスパルス戦。先発出場した小川は、ゴールポストを直撃するなど決定機を多く演出し、FWとしての存在感を見せつけた。試合には敗れたものの、チームの全シュート10本のうち7本を放った。
だが試合後、「惜しいだけで、期待には応えられずに負けてしまったことが悔しい」と厳しい言葉を繰り返した。
今季公式戦の得点はまだ「0」。
厳しい表情に終始するのには理由があった。今回の代表招集は自身にとってもうれしい代表入りとなったが、現状はあまり喜べる状況になかったからだ。
加入4年目の今季はチームでの公式戦での得点は0。ワントップとしてルヴァンカップでは多くの出場機会を得たが、リーグ戦は5試合に途中出場も総出場時間はわずかに53分。今季加入し、すでに公式戦3得点(6月1日現在)を挙げた同ポジションのゴン2世ことFW中山仁斗にも後れをとっている。
「トゥーロンでは自分のゴールで勝利という結果にこだわって、チームでの出番を増すためにアピールしたい」
そのためにも国際舞台を前にルヴァンカップで結果を残し、注目度の高いトゥーロンへ良い流れを呼び込みたかったのだ。