千葉選手も「意外だった」スタメンの2人。

　ゲーム序盤に主導権をたぐり寄せる。これが連覇への鍵だった。

　ルカは、ファイナルの先発に日本代表のふたり、田中大貴と馬場雄大を並べた。

　ふたりが並んでの先発起用に、「意外だった」と話す千葉の選手がいた。なぜなら、このふたりはオフェンスにおいての役割がかぶるので、レギュラーシーズンでは馬場がベンチからのスタートとなることが多かったからだ（馬場は「ベストシックスマン賞」に輝いた）。

　ルカは、ふたりの先発起用の意図をこう話した。

「我々には、田中と馬場のふたりが必要だった、ということです。彼らはオフェンスの『ピック・アンド・ロール』のメインフォースなので、通常であればローテーションで起用します。

　しかし、それは長いレギュラーシーズンを戦ううえでの話です。ファイナルは一発勝負、40分だけの戦いです。たった40分。先発からベスト・プレーヤーを並べることになんのためらいもありません」

　日本代表のふたりを起用し、主導権を握るのが狙いだった。

自由な発想、躊躇のない勝負手。

　第1Qでは一時14－6とリードするなど、滑り出しはスムースだった。ルカの狙いは的中した。

　しかも、第4Qには馬場を富樫にマッチアップさせるなどの「スペシャルプレー」を見せた。ルカは、淡々と語った。

「通常、富樫のディフェンスに当たるのは安藤と小島です。しかし、馬場はガードに匹敵するクイックネスがあり、上背も高く、腕も長い。試合を決定する場面で、ベストの選択をしたまでです」

　ルカの発想は自由であり、勝負手を打つことにためらいがない。

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