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北朝鮮・平壌マラソン参戦記、前編。
参加費は「米ドル現金払い」の闇。
text by
サハラタカシTakashi Sahara
photograph byTakashi Sahara
posted2019/05/13 08:00
平壌マラソンでサブスリーに挑戦したサハラタカシ氏。平壌での日々は刺激的だった模様だ。
フルマラソン参加者は少数派?
午後は平壌の地下鉄ツアーに。平壌で一番きれいで大きいらしい駅に足を運んだが、感想としては「深い」、「暗い」以外は特になかった。しいて言えば、内装が大阪の御堂筋線の心斎橋駅に似てる、ぐらいだろう。
「チェコ・スロバキアから購入した最新の車両」との説明を受けたが(そもそもチェコとスロバキアは1993年に分離している)、何ともリアクションがとりづらい。諸外国の地下鉄と比べて、ローカルの人々が静かなことが顕著な違いだろうか。彼らは我々を見ても終始無関心を装っていた。
夕食は、ローカルのプルコギレストランに向かう。翌日レースにもかかわらず参加者はみんなガブガブとビールを飲むんだなと思っていたが、話を聞いていると、フルマラソンを走るのは参加者の3分の1くらいで、他は5kmや10kmのファンランだそうだ。そういえばツアーの初日に「Are you serious runner?」と聞かれた記憶がある。
ホテルに戻ってきたのが21時を回っていたが、この3日間一切体を動かしていないことに気づく。今回の目標をサブスリー(3時間切り)に設定していたので、不安になってきた。効果は不明だが、とりあえず汗だけでもかこうと、ホテルのサウナに行きそのまま就寝したのだった。