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目の肥えた日本平のファンが唸る、
清水MF中村慶太のキックと視野。
text by
望月文夫Fumio Mochizuki
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/05/11 08:00
開幕からスタメンに定着するなど、清水に馴染んだ中村慶太。第10節鹿島戦ではFKで観客を沸かせた。
古巣・長崎への思い。
新天地での活躍は、チームのためであり、もちろん自分自身のためでもあるが、さらにもう1つの大きな理由がある。これまでお世話になった長崎の存在だ。
清水への移籍は自身のキャリアアップのためでもあったが、「長崎がJ2に降格したタイミングなので、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった」と繰り返してきた。「自分が清水で活躍できなければ、長崎の評価も下がってしまう。だから、活躍することが恩返しになる」と考えているのだ。
新天地では、ケガでしばらく戦列を離れた時期もあるが、存在感はまだまだ右肩上がりに増している。
今季開幕前の2月には同郷の女性と入籍した。独身時代から同居する愛犬の「きなこ」に加え、3月にはもう1匹ワンちゃんが加わり、4人(?)の生活が始まった。
「いつでも家で食事ができる安心感もあるし、妻と2匹のワンちゃんにいつも癒されている」
サッカーに集中できるさらなる環境が整った。
巧みなドリブルで左サイドを駆け上がってチャンスを連発し、さらにFK弾で勝利を引き寄せ、2ケタ得点を達成する。そしてリーグ優勝という大きな目標へ。清水のため、自身のため、そして古巣・長崎のために、多くの武器を持った中村がさらに加速する。