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錦織圭、苦戦しつつも16強に進出。
コートでのつらそうな顔が気になる。

posted2019/05/09 12:45

 
錦織圭、苦戦しつつも16強に進出。コートでのつらそうな顔が気になる。<Number Web> photograph by AFLO

実力差がある相手に短い時間で勝つことは、トーナメントを戦い抜くコンディションの面でも錦織圭にとって大切なことだ。

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長谷部良太

長谷部良太Ryota Hasebe

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AFLO

 5月8日正午過ぎ。前日、大坂なおみが世界ランキング73位のサラ・ソリベスに苦戦を強いられたコートに姿を見せた錦織圭。

 頭上では、昨日までマドリードの空になかった分厚い雲が太陽を覆っていた。気温は20度近くあったが、少し肌寒い。試合開始直前には通り雨が降り、赤土のコートを適度に濡らした。

 マドリード・オープンのシングルス2回戦から登場した第6シードの錦織は、世界109位のウーゴ・デリエンと顔を合わせた。2人は初対戦。デリエンはボリビア出身の25歳で、ツアータイトルはなし。通算成績は14勝13敗で、うちクレーコートで12勝。その数字は、南米の選手らしく赤土を得意にしていることを示している。

 立ち上がりから、錦織は自在のプレーを見せた。相手サービスの第1ゲーム。錦織のポイントは、鮮やかなバックのダウンザラインで始まった。

 デリエンはやや萎縮気味で、早い段階からミスを連発。あっという間に錦織はブレークに成功した。その後も集中力を増したように錦織のショットは次々と決まる。絶妙なハーフボレーをネット際に落とし、客席を沸かせる。第5ゲームではフォアの逆クロスで相手を振り回し、甘く浮いた返球を容赦ないボレーで仕留めて再びブレークした。

圧勝かと思われたが、一転……。

 試合は、実力差通りに進むかと思われた。流れが変わり始めたのが、5-1で迎えた相手サービスの第7ゲーム。15-40と追い詰めながらしのがれ、2度のセットポイントを逃した。それでも、次は錦織のサービスゲーム。さくっと奪って第2セットへ――という場面で、暗転した。

 第2サーブを強打され、ラリーは消極的になって後手に回る。15-30からはダブルフォールト。たまらずベンチに戻ってラケットを替えたが、ブレークポイントでは相手が見事なバックのストレートを打ち抜いてきた。

 気おされたわけではないだろうが、このブレークバックを機に悪い癖が出始める。ブレークポイントで、あと1本が出なくなった。決めにいくフォアが、なぜか入ってくれない。一方、デリエンはフォアの逆クロスが決まりまくり、序盤とは別人のように調子を上げていった。

【次ページ】 6-1や6-2で取れるセットだった。

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