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総年俸がロナウド1人に及ばなくても。
アタランタ、112年目で初CL目前! 

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手嶋真彦

手嶋真彦Masahiko Tejima

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photograph byUniphoto Press

posted2019/05/08 08:00

総年俸がロナウド1人に及ばなくても。アタランタ、112年目で初CL目前!<Number Web> photograph by Uniphoto Press

青と黒のチームカラーが印象的なアタランタ。欧州への扉を開けようと必死の戦いが続く。

名将ガスペリーニの独自色とは。

 アタランタを率いて3シーズン目のジャン・ピエロ・ガスペリーニに対する評価は、ユベントスやミランといったメガクラブの次期監督候補として取り沙汰されている通りだ。

 3バックのシステムで志向してきたサッカーは独自のカラーが強いもので、積極果敢に攻め上がる両ウイングバックの振る舞いが象徴している通り、明らかに攻撃的。今季のセリエAで記録している総得点71はリーグトップの数字であり、69得点のユベントスも、66得点のナポリも及ばない(ちなみにインテルは52得点、ミランは49得点、ローマは62得点、トリノは45得点だ)。

 ガスペリーニが大きな違いを作り出せているのは「プレーの原則以前に勇気、野心、欲望といった選手の感情を育めるところにある」といった賞賛も寄せられている。

 たしかにアタランタのサッカーからはインテンシティの高さや、そうしたプレーの強度を支えるメンタリティの強さが感じられる。選手1人ひとりがそれこそ炎のように燃えながら、それぞれ献身できるチームなのだ。

選手売却によって収入がほぼ4倍。

 2016年の夏から監督を務めてきたガスペリーニがアタランタにもたらしているのは、就任1年目のセリエA4位(当時は3位までにCL出場権が与えられた)、2年目の7位、そして2年連続のヨーロッパリーグ出場権獲得といったピッチ上の成果だけではない。

 クラブの総売上高は、2015年の7434万ユーロ(約97億円)が2年後の2017年は1億4770万ユーロ(約192億円)へと倍増している。

 驚かされるのは選手売却による収入の激増だ。2014年の1678万ユーロ(約22億円)から2017年は6447万ユーロ(約84億円)へ、ほぼ4倍増となっている。つまりガスペリーニが選手の価値を高め、クラブの大幅な増収を叶えているわけだ。

 アタランタはそれまで公共施設だったホームスタジアムを2017年に買い取った。2018年も選手売却による収入は6889万ユーロ(約90億円)に、総売上高は1億5574万ユーロ(約202億円)にそれぞれ増えている。

 一朝一夕でこうした高みに辿り着けるはずがない。会長のアントニオ・ペルカッシはこう振り返る。

「私がクラブの保有権を手に入れた時――もうずいぶん昔の話ですが――、このプロジェクトをどうやって継続させていくかを真っ先に考えたものでした」

【次ページ】 下部組織にも名伯楽を迎え入れ。

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