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好調・伊東純也と不遇・浅野拓磨。
何が海外移籍の成否を分けたのか。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byAFLO
posted2019/04/29 09:00
2019年1月の移籍市場でヘンクの一員となった伊東純也。同じ俊足の浅野拓磨と比べると対照的なキャリアだ。
浅野の不遇と海外移籍の難しさ。
その浅野は今、自分ではどうしようもない不遇に直面している。アーセナルからのレンタル移籍でハノーファーでプレーしているが、ハノーファーが買取オプションを行使しないことを決めた。一定の試合数を越えると自動的に買取の義務が発生するため、試合に出られなくなっているのだ。
ドイツではこの件について会長、強化部長、監督らがそれぞれコメントするなど、ハノーファーというクラブの不協和音の現れであり、失敗であると大きなニュースになった。
一方、イングランドではほぼ触れられておらず、多少触れているメディアもドイツのキッカー誌などを転載した程度と、関心の程度には差がある。そのハノーファーも、2部降格まで秒読み段階と厳しい状況にある。
2人の俊足選手の置かれている状況の違いを見ていると、海外移籍の難しさを思わずにはいられない。
今後日本人選手の海外移籍で気をつけるポイント、学ぶべきことが浅野のケースにはたくさんあるのだろう。運が悪かった、で済ませてはいけないはずだ。