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好調・伊東純也と不遇・浅野拓磨。
何が海外移籍の成否を分けたのか。
posted2019/04/29 09:00
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
AFLO
ドイツ・ブンデスリーガで、日本人選手の所属するクラブが優勝争いに加わらなくなって久しい。
香川真司が所属していたドルトムントは、最終的にはチャンピオンズリーグ出場圏内には落ち着くものの、ここ数年優勝争いから遠ざかっていた。2017-18シーズンは4位、2016-17シーズンは3位、2015-16シーズンは2位だが首位とは最終的に勝ち点差10も離れている。
日本人選手の所属チームがCL出場圏内に残ることも少なくなった。今季は長谷部誠の所属するフランクフルトがCL出場権を争ってはいるが、ドルトムント以外の日本人所属チームがCLに出場するとしたら、2013-14シーズンに3位となり、翌シーズンにCLに出場したシャルケ(内田篤人)以来のことである。
ドイツにいても、日本人選手が所属するチームを中心に取材もするし、正直なところどうしたって感情移入をするものだ。
当然、ヨーロッパリーグ(EL)でのフランクフルトの勝ち上がりは嬉しいし、大迫勇也が所属するブレーメンと酒井高徳、伊藤達哉が所属するハンブルガーSVがドイツ杯では準決勝まで進出したのも誇らしいものだった。だからこそ、リーグ戦で優勝争いをする日本人選手を取材したいと思ってしまうものだ。
伊東純也がベルギーで優勝争い中。
だが隣国に目をやれば、日本人選手が優勝争いを演じるクラブで主力としてプレーしている。
この冬からベルギー1部のヘンクに加入した伊東純也はすっかりレギュラーに定着している。ベルギーリーグは複雑で全16チームでレギュラーシーズン30試合を戦い、その後順位ごとに分かれた小さな編成のリーグ戦で順位を争う。伊東のヘンクは首位でレギュラーシーズンを終え、現在は優勝プレーオフを争っているところだ。
6チームで争うその優勝プレーオフは全部で10試合行われるが、5試合が行われた今ヘンクは首位に立っている。伊東はプレーオフ全5試合で先発、初戦のアンデルレヒト戦で得点を挙げしっかりとチームにも貢献している。