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春の天皇賞、本命はフィエールマン。
ルメールは「盾男」たちに並べるか。

posted2019/04/27 09:00

 
春の天皇賞、本命はフィエールマン。ルメールは「盾男」たちに並べるか。<Number Web> photograph by Yasuo Ito/AFLO

1月のAJCCでは頭差の2位だったフィエールマン。間隔、距離ともに、優勝した菊花賞を再現するようなリズムで天皇賞に臨む。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yasuo Ito/AFLO

「平成の盾男」と呼ばれる武豊(50)が初めて制した天皇賞は、1989(平成元)年にイナリワンで圧勝した天皇賞・春だった。以降、'92(平成4)年まで天皇賞・春4連覇を達成する。彼は当時、海外に遠征して自己紹介するとき、「もっとも誇れる記録」として、この春の盾4連覇を挙げていた。

 '97(平成9)年にはエアグルーヴで、天皇賞・秋が2000mに短縮されてから牝馬による初勝利を挙げ、2008(平成20)年秋にはウオッカでダイワスカーレットとの2センチ差の死闘を制した。

 さらに、17(平成29)年春にはキタサンブラックで従来の記録をコンマ9秒も短縮する3分12秒5(3200m)というスーパーレコードで優勝するなど、史上最多の天皇賞14勝(春8勝、秋6勝)をマークしている。

 たくさん勝っているだけではなく、個性的な名馬で、印象的な勝利を挙げている。キタサンブラックで出遅れ、水の浮く不良馬場の内を突いて抜け出した'17年の天皇賞・秋などは、「平成の盾男」の真骨頂であった。

「平成の盾男」でも2位なのは……

 そんな武でさえ、天皇賞の勝利記録に関して、史上最多でないものがある。天皇賞・秋6勝というのは、実は史上2位なのだ。

 最多記録を保持しているのは、「昭和の盾男」保田隆芳(1920-2009)である。

 保田は天皇賞を10勝しており、うち秋は7勝と、今なお最多記録だ。一度天皇賞を勝った馬は出走できない「勝抜制度」が適用されていた時代にこれだけ勝っていたのだから、驚異的と言うほかない。

【次ページ】 保田は引退の2年前、武は29歳で。

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