猛牛のささやきBACK NUMBER
首脳陣も期待する生粋のファイター。
オリ福田周平が攻め続ける理由。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2019/05/03 10:00
今季、キャプテンに指名された福田周平。ガッツポーズが似合う男は“熱さ”でチームを牽引する。
福田がファイターたる理由。
ただ、福田自身は“ファイター”を意識してやっているわけではないという。
「昔から、負けず嫌いではありましたけど……」
内野にゴロを打った際、1塁にヘッドスライディングを敢行し、セーフを勝ち取って熱く右拳を握る姿は絵になるが、福田自身は実は、本意ではないという。
「僕、あんまりヘッドスライディングはしたくないんですよ。あれで怪我したら、元も子もないですから。でも勝手に出ちゃうんで、直さないといけないと思うんですけど。たぶん速く、ベースをつかみ取りたいんでしょうね」
自然と体がそう動いてしまうところが、“ファイター”たるゆえんなのだろう。
時には前のめりになりすぎてミスになってしまうこともあるが、福田は攻めることをやめない。
「納得できるヒットがほぼない」
今年、キャンプインした時の福田は、昨年とは体つきが変わっていた。特に太もも周りは明らかに太くなっていた。オフの自主トレでは、体の強化に何よりも力を入れたという。
ルーキーだった昨年、シーズン後半にセカンドのレギュラーを勝ち取り、安打も重ねたが、福田はまったく納得していなかった。
「やっぱりアマチュアと違って、プロの投手はスピードがあるので、それに負けない体作りが必要。今までと違ってプロの球だと差し込まれるかたちになることがあるけど、そのちょっと差し込まれたところでも、しっかり自分のスイングをかけられて、鋭い打球やヒットを打てるような体作りをやっていかないといけないなと感じています。
今は、ヒットになっていても、僕の中のイメージでは、小手先で対応している感じがある。それはよくないなと。しっかり自分のスイングをしながら、ヒットにする。つまりながらでも内野の頭を越える。そういうところが大事なんですけど、今は器用にやっちゃっている感じ。納得できるヒットがほぼないんです」