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W杯開幕を目前に控えたなでしこ。
長谷川唯、岩清水梓たちの勝算。
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byGetty Images
posted2019/05/05 08:00
なでしこジャパンの主力として期待がかかる長谷川唯。初のW杯でどんなプレーを見せてくれるか。
長谷川らが語るフランスの強さ。
ほかの選手の談話も、フランスから受けた衝撃の強さを如実に物語るものだった。
「正直、現時点では向こうのレベルが高すぎて、ああいったチームにはどうすればいいんだろうと考えあぐねました。1対1の形に持ち込まれないように、選手間の距離をうまく取りながら複数で守ること。相手の攻撃のスピードを封じるための、スライドの速さが大事になってきますね」(MF三浦成美)
「フランスはゴールに向かう迫力が強烈。勝ちたい気持ちがプレーから溢れていました。自分がW杯のピッチに立ったときは、特長である突破力や縦への推進力を出せるようにイメージしています」(FW宮澤ひなた)
MF長谷川唯は、なでしこジャパンの攻撃の中核を担うことになるだろう。卓越した技術と豊かなアイデアを駆使するアタッカーだ。軽快なステップで、大柄な選手を面白いように翻弄する。
「4月の欧州遠征では、一応ドイツ戦で点を取りましたけど、自分としてはボールに触る回数が少なく何もしていない印象です。W杯に向けて守備の構築を進めながら、攻撃の部分に移っていけたらいい。アメリカやドイツは対策を打てばある程度は抑えられる感触があります。その点、フランスはさらなる打開策を持っている感じがしますね」
岩清水「対戦順は悪くない」。
過去、W杯に3回、オリンピックに2回出場した経験を持つ、ベテランのDF岩清水梓はこう語る。
「フランスは昔からスピードとパワーがあり、力は持っていたチーム。勝負弱さがあってタイトルを取り逃がしてきましたが、今回は自国開催ということでいよいよ本気だなと感じます」
W杯のグループステージ、日本はアルゼンチン、スコットランド、イングランドの順で対戦する。
「対戦順は悪くないと思います。初戦が強敵のイングランドというのは避けたかったですからね。アルゼンチンは南米のチームらしく、個々の技術は高いはずです。一方で守備の連係はいまいち。大会の最初のゲームは難しさがあるものですが、勝点を獲りにいきつつ、先につながる攻撃のパターンを確かめ合いながら戦うことができれば」