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<同僚と監督がイチローに贈る言葉>
シアトルより愛をこめて。

posted2019/04/22 15:00

 
<同僚と監督がイチローに贈る言葉>シアトルより愛をこめて。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

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ブラッド・レフトン

ブラッド・レフトンBrad Lefton

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Naoya Sanuki

彼の引退劇に、全米の野球人がメッセージを発した。 そしてマリナーズの仲間からは惜別の想いがあふれた。 美しい涙を見せたゴードンと、サービス監督がその愛情を語る。

 日本のファンにとって、菊池雄星が涙に暮れながら自分のヒーローの肩に頭を預ける姿は、イチロー最後のゲームの記憶に残り続ける名場面だったろう。そしてアメリカでは、ディー・ゴードンの頬をつたう一筋の涙がファンの心を打った。

 イチローの最初のマリナーズ在籍時代には、利己的で不平屋という不当なイメージがつきまとっていた。だが、この日の彼らの気持ちこそがそのイメージよりも遥かに、チームメート、対戦相手、野球人たちがイチローに感じるものをよく表している。

 2004年から'11年は、マリナーズ史に残る低迷期だった。この8シーズン、通算572勝724敗、.441という惨めな勝率を回復させようと空しく挑んだ7人の監督と3人のGMは、次から次に交代した。常にエキサイトメントをもたらしていたのは、イチローのプレーだけだった。

 悲惨な毎シーズン、最後までモチベーションを保ち続けるという彼の能力は、その偉大な才能の一つとして数々の記録同様に賞賛されるべきだ。しかし一部のチームメートは、自分たちはオールスターブレイク前にやる気をなくしているというのに集中力を保てるイチローに嫉妬した。イチローが、彼らの欠点や不満から出たネガティブな印象を負わされたのは不幸なことだった。

 だが、その引退劇への全米の反応が示したように、そんな印象は作り話以上のものではなかった。あふれ出す言葉は感動的な、嘘偽りのないものだった。

 ヤンキースのGM、ブライアン・キャッシュマンを皮切りに、多くの球団が次々と声明を発表した。対戦相手や同僚も、SNSで思いを述べた。長年エンゼルスの右翼手としてイチローと戦い、’18年に新たに殿堂入りしたブラディミール・ゲレーロはこう書いた。

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
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