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23歳リンスがキャリア初優勝。
MotoGPは4強時代へ突入か?
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph bySatoshi Endo
posted2019/04/18 07:00
予選7位からスタートした23歳スペイン人が初栄冠。スズキは約3年ぶりのMotoGP優勝となった。
24年目のロッシは2戦連続表彰台。
そのリンスに負けたロッシは、前戦アルゼンチンGPではマルケスに続いて2位。
今大会も好調で、予選ではマルケスに続いて2番手、決勝でもマルケスにはじりじり引き離されたが、セカンドグループを引っ張る走りだった。
そして、マルケスが転んだときにはだれもが、ロッシの2年ぶりの優勝を疑わなかった。それがリンスに追い上げられ、抜かれてしまう。スタンドを埋めたロッシファンは、最終ラップの猛チャージを期待したが、リンスには届かなかった。
「勿論、優勝できなかったことにはがっかりしたが、今日のリンスは速かった。ブレーキングも加速も良かった。しかも、バンピーな路面をうまく避けるライン取りをしていた」と完敗の弁も、2戦連続で表彰台に立ったことを喜んだ。
40歳にして常にトップグループに加わる速さには、ただただ、感嘆するばかりである。
もう何年も前のことだが、インタビューのチャンスがあり、「速く走る秘訣は?」という質問に彼は「速く走りたいという情熱を持ち続けることだね」と答えてくれたことがある。デビューして24年目のシーズン。その気持ちをいまも持ち続けていることは簡単なことではないだろう。
「マルケスが転倒したことでチャンピオンシップは振り出しに戻った。4メーカーの4人が9点差だからね」
4強時代に突入したMotoGP。
今大会4位のアンドレア・ドビツィオーゾが総合首位に浮上して、3点差でロッシ、5点差でリンス、そして総合首位から4位にダウンしたマルケスは9点差。
この数年は、厳しいテクニカルレギュレーションの影響で、ハード面ではなかなか差の出ない戦いが続いているが、この数字は、3強から4強時代に突入したことを感じさせるものだった。