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新球シュートの習得が転機に。
「西武のイチロー」田村の誓い。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2019/04/18 11:30
開幕から一軍で6試合に登板した田村。一軍再昇格が待ち望まれる。
辻監督「自信を持って投げなさい」
こうして開幕から一軍で6試合に登板(4月14日現在)。主にリードを許している場面での中継ぎとして、故障者が多い投手陣を支えてきた。
「とにかく、今やっていることを1年間続けていけば、ステップアップにつながると思っています。登板数とか、勝利とか、何か数字的なものを目指しているというよりは、今できることを毎日やっていこうという思いのほうが強いですね」
惜しくも4月14日、二軍降格を言い渡されたが、一軍チームをあとにする田村に辻監督はこう告げたという。
「自信を持って投げなさい」
田村は振り返る。
「確か入団1年目にも、辻監督からは『打者に向かっていきなさい』と言葉をかけてもらった記憶があります。しっかり腕を振って、躍動感のあるピッチングをしなさいという意味だととらえています」
監督の言葉を胸に刻み、一軍再昇格を目指すつもりだ。
田村の課題は?
杉山賢人二軍ピッチングコーチは語る。
「一軍、二軍で共有している課題はもちろんあります。特に上から降格してくるメンバーに関しては『こういうことを望んでいる』という要望は必ず伝えられています。
たとえば田村などは、『連投できる体力を付けられるようにしてほしい』と一軍からの指示を受けました。どうしても連投すると、ボールの威力は落ちてしまう。二軍で連投するなどして、慣らして、再度、一軍に上がれるよう調整します。そして、バテていてもそれを見せない投球ができないといけません。一軍のピッチャーはタフじゃないと1年間戦えませんからね」
チームに所属する選手、1人ひとりがそれぞれの課題と向き合っている。田村が再び一軍のマウンドに戻る日を楽しみに待ちたい。