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ユーベが完敗を認めたアヤックス。
「時速1000キロ」でCL4強に進出!
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2019/04/17 13:30
決勝弾を決めた主将DFデリフトはまだ19歳。“CLの王”に先制点を奪われたものの、決定的な仕事をさせなかった。
完全に面食らったユーベ。
ユーベはアヤックスのサッカーに面食らい、混乱していた。
なぜ、彼らはこんなに速いんだ?
なぜ、彼らはCL準決勝の切符がかかった試合であんなに上手くボールを操れるんだ?
なぜ、彼らは疲れないんだ?
乳酸のたまった筋肉に鞭打って走りながら、ユーベの選手たちの頭には、いくつもの「なぜ?」が浮かんでいたのではないか。
今夜、ベスト16ラウンドで大逆転負けを喫したレアルの選手たちは、TVの前で“ようやくお前らにも、そいつらの怖さがわかったか”と苦々しい顔でつぶやいたかもしれない。
ロナウドは抗うも、夢は途絶えた。
“CLの王”ロナウドは最後まで抗った。
78分にヘディングに飛び込もうとしたら、DFデリフトに潰された。
3月下旬の代表戦で太腿を痛めたロナウドのCL準々決勝出場が危ぶまれていた頃、デリフトは大胆不敵にもトリノ地元紙のインタビューに堂々と応じ「彼と是非、対戦したい。(コッパ・イタリアでユーベを破ったアタランタのオランダ代表MF)デローンに電話して攻略法を聞いたよ」と豪語していたのだ。
失点の場面以外、15歳も年下の若造DFにほぼ抑えきられたロナウドは、93分には不用意なタックルでイエローカードまでもらってしまった。
トゥルパン主審が3度笛を吹くと、ほんの少しだけ首を振りながら、C・ロナウドはロッカールームへ続く通路に消えた。
23年ぶりの欧州制覇を目指したユーベの冒険は潰えた。