沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
サートゥルナーリアに距離の壁なし。
ダービー、凱旋門賞へ夢は広がった。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2019/04/15 12:15
無敗で皐月賞を制したサートゥルナーリアと鞍上のルメール。ダービー、そして凱旋門賞へ――期待感は高まる一方だ。
「もうちょっと楽に勝てると」
電光掲示板に審議のランプが灯った。サートゥルナーリアがゴール前で内に斜行し、ヴェロックスの進路が狭くなったことに関する審議だった。中継時間内に勝利騎手インタビューができるかどうか、テレビ局のスタッフがやきもきするほど審議が長引いた。
「まさか降着じゃないだろうな」という声も聞こえたなか、ようやく確定のランプが灯った。着順の変更はなく、ルメールに過怠金5万円が課されたものの到達順位どおりに確定した。
「もうちょっと楽に勝てると思っていた。休み明けだったから、最後は馬が疲れた。けど、ゴールまで頑張ってくれた。今日はいい経験になった」
そう話したルメールは、この勝利により、史上9人目のクラシック完全制覇を果たした。
「ジョッキーの人生にとって、いいアチーブメントになった。馬主さん、厩舎スタッフのみなさんに感謝しています」
距離の壁はないと角居師も自信。
さあ、次は「競馬の祭典」日本ダービーだ。勝てば、ディープインパクト以来14年ぶり、史上7頭目の「無敗の二冠馬」となる。角居師はこう話す。
「競馬で掛かるようなところもないし、距離の壁はないと思います。今日、競馬でしっかり動かしたので、無理な調整をしなくてもいい。素晴らしい結果を出せるよう頑張ります」
令和元年5月26日、第86回日本ダービーで歴史的名馬誕生となるか。
オーナーサイドは凱旋門賞(10月6日、仏パリロンシャン芝2400m、3歳以上GI)に登録する意向を示した。
ダービーの結果次第で、夢はさらにひろがる。令和最初のダービーから、目が離せない。