マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER

オープナーは球数制限に有効では?
大学野球の成功例から思いついた。

posted2019/04/16 08:00

 
オープナーは球数制限に有効では?大学野球の成功例から思いついた。<Number Web> photograph by Kyodo News

2003年、大学日本一に輝いた日本文理大。その投手起用法はまさに「オープナー」的発想だった。

text by

安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

PROFILE

photograph by

Kyodo News

 日本ハムが3月のプレシーズンゲームのアスレチックス戦で、斎藤佑樹投手を先発の2イニングでサッと交代させた起用法が話題になった。

「オープナー」という言葉は、まだ日本ではそんなにおなじみではない。だが昨年メジャーで、リリーフ投手を先発の1イニングで使い、2回から本来の先発投手を起用する戦い方が見られたそうだ。

 これを「オープナー」と呼んで、強力な上位打線と向かい合う立ち上がりに、“MAX”の大きな剛腕や、多彩な変化球を駆使するテクニシャンの渾身の投球で切り抜ける。試合に勢いとリズムを加えようとする戦術だと聞いている。

 そんな野球が始まってると聞いた時、あれっ、ちょっと待てよ……なんだか前に、こんな継投の方法を使っていた監督さんがプロにいたなぁ。そう思って記憶をたどってみたら、すぐに思い当たった。

 三原脩である。

「策士、名将」と称されて畏れられ、九州の地方球団といわれた西鉄ライオンズを日本一に導き、その後、セ・リーグに転じて1960年に大洋ホエールズを率いると、前年まで6年連続最下位のチームをセ・リーグ制覇から日本一にまで導いてみせた。

完投が普通の時代に2、3回で交代。

 そんな三原がヤクルトアトムズ(現スワローズ)の監督に就任した、昭和45年頃だったと思う。

 外山義明という小柄なサウスポーがチームにいた。スピードはそれほどではないが、右打者の内に食い込むスライダーと、外へ逃げるスクリューで“放射状”の軌道を描き、しかもそれらをコントロールできる。そんな特徴を持った左腕投手を、まさに「オープナー」に起用する奇策に打って出た。

 当時のプロ野球は、先発したら完投するのが普通の時代。

 しかし、スピードがなかったり、スタミナが足りなかったりして長いイニングは無理でも、多彩な変化球のコントロールという“特性”を生かせば、打者のエンジンがまだ十分に温まりきっていない試合序盤の“1巡目”なら、しのげるのではないか……そんな発想が「外山先発→2回か3回で交代」という奇抜な作戦につながった。

 たしか、早い時には1イニングで交代、なんてこともあったように思う。

 いずれにしても、頭の何イニングかを投げてくれれば、後からマウンドに上がる「先発系」の投手たちの負担が軽くなる。そういう狙いも間違いなくあったのだろう。結構うまくいっていた時期もあった……とはっきり覚えているのは、当時の私がかなり熱烈なヤクルトファンだったからなのだ。

【次ページ】 オープナーでの全国制覇に批判が。

1 2 3 4 NEXT

この記事にコメントする

利用規約を遵守の上、ご投稿ください。

斎藤佑樹
日本文理大学

プロ野球の前後のコラム

ページトップ