マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
六大学野球で大真面目に妄想する。
小宮山監督がベースコーチなら……。
posted2019/04/13 08:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Yuki Suenaga
いよいよ、13日の土曜日から「東京六大学リーグ戦」が神宮球場で幕を開ける。
実は、あらたまって「いよいよ……」などと言えるほど盛り上がっていないのが、ちょっとさみしいところなのだが、「学生野球」の象徴として、もうひと息の盛り上がりを期待したい。
昨年の晩秋ごろだったか、母校・早稲田大学の野球部監督に小宮山悟元投手が就任すると聞いたとき、途端にフッと頭に浮かんだ光景があった。
小宮山新監督が「三塁ベースコーチ」に立っている姿だ。
あの大きな体で、三塁側のコーチャーズボックスに両手を腰に当てて立ちはだかり、マウンドの相手投手をにらみつけ、慣れない手つきで打者に、走者にサインを送り、ひるみそうな打者に気合いを入れ、見送りの三振に怒り狂い、タイムリーヒットが飛べば、三塁ベースを回るランナーに向かって、あのメジャーリーガーまでやっつけた長い右腕をグルグル回しながら、なんなら、一緒になって、ホームベースにまで突っ込んでいく。
ベースコーチ、見たいなあ……。
見たいなあ……と思った。
すごく見たいなあ……と思って、ある場所で顔を合わせた時に話を振ってみたら、「いやいや、私なんて」と一笑されてしまった。
まだ、正式に監督の任に就く前で、照れくさい思いもあったのかもしれない。
でも私は、今でも本気で、ベースコーチに出てくれないかなぁ……と思っている。
人が見に来るだろうと思う。
事実、ここに、小宮山新監督のベースコーチ姿を見たいとこんなに思っている者がいるのだ。1人いれば1000人いる。それが世の中というものだろう。もっとたくさんの人たちに「六大学」を観に来てほしいと強く願っている連盟の思いにもかなっているはずだ。
見に来てもらうには、最初の1回が肝心だ。