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選手権決勝の再戦は青森山田に軍配。
流経大柏・本田監督「乞うご期待」。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/04/13 17:30
新チームのキャプテンを務める流経大柏MF八木滉史(右)。「こんなんじゃ終わりませんから」と次戦へのリベンジを誓う。
黒田監督「両校ともにこれから」
そして86分、一瞬の隙を青森山田が突き、勝負は決した。
流経大柏の不用意なパスを青森山田MF古宿理久が掻っ攫うと、途中出場のFW古澤ナベル慈宇が豪快に蹴り込んで、2-0。試合はこのスコアのままタイムアップの時を迎えた。
「セカンドボールの回収に関しては、前半はフィフティー・フィフティーだったけど、後半はウチが7割ぐらい回収できていた。相手のいい部分を消して、自分たちのストロングポイントを出したつもりだったけど、こじ開けることができないどころか、逆にこじ開けられてしまった」(八木)
試合後、両指揮官は再戦に対して、思いを口にした。
「向こうも2人(関川、熊澤)のエース格が抜けているし、ウチもヒデ(武田)以外全部抜けているから、両校ともにこれからのチーム。でも、競り負けない、当たり負けない、走り負けない、そこで負けるわけにはいかない。そこで負けていたら、(雪深い)冬に何をやっていたんだとなる」(青森山田・黒田剛監督)
「去年のプレミアの順位を見て、だいたい一発目は強い相手となるなとは分かっていた。青森山田は非常にタフなチームだし、ウチはまだまだ物足りない部分が多いチーム。メンバーも昨日の夜もずっと悩むほどでした」(流経大柏・本田裕一郎監督)
選手権後、強化に着手できなかった両校。
共に高校選手権を最後まで戦いきり、勝負がついた後も、それぞれ優勝、準優勝のセレモニーがあるなど、なかなか新チームに対する本格的な着手ができなかった。
「やるべきことで出遅れたことはいっぱいあります」と本田監督が語れば、「選手権優勝のセレモニーなど何から何までがつい最近まで続いていた。大変ありがたいことですが、そろそろ優勝の余波は収まってほしいなと思う時もあります。日本一出遅れているチームなので、少しずつ積み上げをしていこうかなと思います」と黒田監督も本音をもらした。