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ユーベに馴染んだC・ロナウド。
レジェンドも望む23年前の再現。 

text by

弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byItaru Chiba

posted2019/04/10 11:30

ユーベに馴染んだC・ロナウド。レジェンドも望む23年前の再現。<Number Web> photograph by Itaru Chiba

CLのラウンド16、A・マドリー相手に1stレグを0-2で折り返したユベントス。2ndレグでC・ロナウドがハットトリックを決め、逆転勝利を果たした。

伝統を誇るトリチェッリ。

「ユーベの組織としての強さは、イコール世界有数の資産家であるアニェッリ家(オーナー一族)の強さだ。1つのファミリーが90年以上にわたって1クラブを経営し続けているなんて、あらゆるスポーツ界で他に聞いたことがない。イタリアでは、ユーベの一員になることはアニェッリ家の庇護下に入ることとほぼ同じ意味だ。これは、何の後ろ盾ももたない一介のサッカー選手にある種の強烈な所属意識をもたらしてくれる。

 '15年と'17年の決勝戦でバルセロナとレアルに大敗した後も、(アンドレア・)アニェッリ会長は決してネガティブなコメントは出さなかった。どんな困難に遭っても必ず再起する、頂点を目指し続けるのだ、という強固な意志が“ユベントスというクラブを形成する世界観”の根底にある」

 トリチェッリは22歳の春まで家具工場の工員だった。無名のアマクラブでプレーしていたとき、たまたま練習試合で対戦したユーベの名将トラパットーニの目に留まり大抜擢されると、ガッツ溢れるプレーで名門のレギュラーを勝ち取り、CLとトヨタカップを制するに至った。

 言葉に実感がこもっている。

戦いを知り尽くしたディリービオの言葉。

「一方のC・ロナウドも、超がつくほどのプロフェッショナルだ。世界のトップになりたい、そうあり続けたいと固く心に決めて毎日を過ごしている。ユーベとロナウド、両者が融合できたのは両者のプロ意識が似通っていたからだ。そう思うよ」

 厳格さで知られるクラブの風土とロッカールームのムードを熟知するディリービオも、C・ロナウドの順応ぶりに「彼は極限のプレッシャーを人生の一部にしてしまった異次元の男。時間をかけずにユーベに馴染んだことにはさして驚かなかった」と続けた。

【次ページ】 気取らないスーパースター。

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