Jをめぐる冒険BACK NUMBER

城福監督が注目するクロップの言動。
「モウリーニョとまた違うんだよね」

posted2019/04/05 11:05

 
城福監督が注目するクロップの言動。「モウリーニョとまた違うんだよね」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

現在リーグ戦3連勝中のサンフレッチェ。城福浩監督は選手と心を通わせながら戦っている。

text by

飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

PROFILE

photograph by

J.LEAGUE

昨シーズン、サンフレッチェ広島の監督に就任した城福浩氏。就任1年目はJ1リーグ戦で2位に入り、AFCチャンピオンズリーグ出場権を確保した。2017年は残留争いに巻き込まれたチームをどう立て直し、そして2年目となる2019年をどう迎えているのか。情熱的に語ってくれたインタビュー取材の記事を2回に分けてお送りする。
後編では今季、キャプテンや副キャプテンを置かなかった理由、そしてチェックを怠らないという欧州サッカーの名将についても話してくれた。

――今、23歳の川辺駿選手と20歳の松本泰志選手がダブルボランチを組んでいます。森崎和幸選手と青山敏弘選手のコンビのようになるのが理想だと思いますが、コンスタントに出場することで、彼らの変化は感じますか?

「まだ十分とは言えないけれど、運動量や攻守の切り替えのところで頑張ってくれています。この前のセレッソ大阪戦(3月9日)は、押されながらも1-0で勝ったんだけど、粘り強く戦って勝利した試合のピッチに彼らがいることが大事。彼らがボランチでコンビを組めば、ボールが繋がることは誰だって分かっている。

 でも、きれいなサッカーをするためだけに起用しているわけじゃない。泥臭くも勝利を手繰り寄せるようなプレーを備えるようになってほしいと思っていて、彼らは今、その途上にいる。だから、与えられた時間を大事にしてほしい。ましてや松本大弥とか、彼らより歳下の選手も控えているんだから」

――そうですね。アカデミーから昇格したルーキーですが、すでに公式戦での出場機会を増やしていますもんね。

「それくらいの危機感を持って、チームのために何がやれるかを考えて、成長を加速させていってほしい。もっと鋭い成長曲線を描いている若手がいるんだぞ、っていうくらい激しい競争をさせたいなと。もちろん、ゴロウ(稲垣祥)だって黙ってないだろうし、アオ(青山敏弘)だって戻ってくれば、必ずチームの力になってくれるから」

――現在、キャプテンの青山選手が負傷のために出遅れていて、ムードメーカーだった千葉和彦選手は今シーズン、名古屋グランパスに移籍しました。新たなリーダーが出てきた、あるいは、そういう役割を期待している選手はいますか?

「実はね、誰にも聞かれてないから話してないんだけど、今年はキャプテンと副キャプテンを置いてないんです」

――そうなんですか。じゃあ、ゲームキャプテンだけ。

「そう。なぜなら、これまでは、カズが離脱しても、アオが離脱しても、千葉ちゃんがまとめてくれていた。でも、その千葉ちゃんがいなくなった。じゃあ、誰がリーダーシップを取るのか。若い選手たちの中から出てきてほしいわけ。

 アオやミズ(水本裕貴)、(林)卓人といったベテラン勢は、腕章を巻く、巻かないに関係なく、チームのためにやってくれるから、中堅や若手にもっと当事者意識を持って過ごしてほしいなと思って。それでタイキャンプが終わったとき、今季はキャプテンを置かないという決断をしたんです」

【次ページ】 その選手を頼って終わり、は嫌。

1 2 3 4 NEXT
#城福浩
#サンフレッチェ広島

Jリーグの前後の記事

ページトップ