バスケットボールPRESSBACK NUMBER
Bリーグで異端の“儲かるクラブ”。
大阪エヴェッサ34歳社長の商人魂。
posted2019/04/02 08:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Yusuke Mimura
Bリーグのなかで最も“名は体を表す”が当てはまるチームは、大阪エヴェッサである。
「エヴェッサ」というチーム名は、七福神のうちの商売繁盛の神様である「戎(えびす)様」が、関西圏で「えべっさん」と呼ばれているのをヒントにつけられた。
商人の街・大阪をホームタウンとし、商売繁盛の神様を名前のルーツに持つチーム。その儲かり具合は、具体的な数字にも表れている。
Bリーグ発表の決算で開幕から2シーズン、各分野におけるエヴェッサの成績は以下の通りだ。
<2016-17シーズン>
チーム成績:18チーム中9位(西地区3位)
平均観客動員:8位
営業収入、スポンサー収入:ともにリーグ1位
<2017-18シーズン>
チーム成績:18チーム中13位タイ(西地区4位)
平均観客動員:8位
営業収入、スポンサー収入:ともにリーグ3位
成績や観客動員数と比較して、スポンサー収入が飛び抜けている。
「チームで何か新しいことをやれば、選手もお客様も、社員もエヴェッサに誇りを持てます。それがモチベーションになると思うんです。でも、そのためには投資が必要。その投資にはもちろん、ある程度のお金が必要になってきますよね」
そう語るのが、Bリーグ(B1)で最年少の34歳の社長である安井直樹だ。
31歳にして代表取締役就任。
彼は31歳のときにBリーグ開幕に合わせて、エヴェッサの代表取締役に就任した。安井はバスケットボール経験者で、大阪・大商学園高時代にはウインターカップにも出場経験がある。2008年にエヴェッサの筆頭株主で実質的な親会社であるヒューマンホールディングス内のヒューマンリソシアに入社。翌年5月からエヴェッサを運営するヒューマンプランニング株式会社に移った。
Bリーグは企業のバスケットボール部が中心のNBLと、プロ化を目指して運営母体を持たないチーム中心のbjリーグがひとつになって誕生した。その意味でbjリーグ出身ながら、企業の後ろ盾があるエヴェッサは独特の立ち位置に置かれたチームだった。
ただそういったバックグラウンドからか、創設初期にはスポンサー集めに熱心に取り組む者は少なかった。ヒューマングループの支援を受けられるから、他チームのようにスポンサー集めに奔走する……という必要もなかったからだ。