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新しい地図・香取慎吾×上地結衣。
「ゾーンが来なくても今が一番強い」 

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2019/03/28 07:00

新しい地図・香取慎吾×上地結衣。「ゾーンが来なくても今が一番強い」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

香取さんのテニスの腕前は「未経験とは思えないです!」と上地選手を唸らせるほど。

代表内定第1号になった喜び。

香取 上地選手は国枝選手とともに、東京パラリンピック、代表内定第1号に決まりました。ほっとしていますか?

上地 代表選考を兼ねていたアジア大会で初優勝できたのが嬉しかったです。あまり相性の良くない大会というか、いつも苦戦する選手がいたのですが今回は当たらなくて。タイのカニタ・ストーンという選手なんですけど、私と同じ左利きで、年齢は40代後半とベテラン。恰幅の良い選手で、試合中、あまり動かないんです。そのかわり、とにかくボールの読みが優れていて、なぜか私がボールを打ち返す位置に必ずいる。

香取 それは怖い(笑)。

上地 読みが当たらないとボールを追いかけもしないんです。でも、攻略しにくい選手ですね。

香取 車いすテニスの選手は、特徴的な選手が多いんですか?

上地 アジアには多いですね。実力はあるのに金銭的な問題でツアーを回れない選手が多く、あまり大きな大会に出てこないんです。だから私たちも研究ができない。実力はあるので、ポンとでた大会で優勝する人も多いです。

ロンドン後、テニスを辞めようと。

香取 上地さんが18歳で初出場されたロンドン大会は、パラリンピックの成功例としてよく取り上げられますが、参加していかがでしたか?

上地 大会の盛り上がりもすごかったですし、現地の人々のホスピタリティ、ボランティアの方々の心構えも違うなと思いました。テニスはイギリスの国技なので、お客さんの見る目が肥えていて、プレーしていて楽しかったです。国に関係なく良いショットには拍手をくれるし、すごく気持ち良かった。それにもしロンドンが初めてのパラリンピックでなかったら、車いすテニスを辞めていたと思うんですよ。

香取 えっ!? そうなんですか。

上地 15歳から海外ツアーを転戦していて、3年間目一杯やったので次は何か別のことに挑戦してみようかなと本気で思っていたんです。出発前には、大学受験や就職活動の資料を集めていました。

香取 なんてことだ(笑)。でも、その気持ちを変えてくれるくらい、ロンドンの雰囲気が良かったんですね。

上地 はい。それに試合で力を出し切れた、というのも大きかったです。出し切れたのに、まだまだ勝てない選手が世界にはたくさんいることを体感できたので、それも続ける原動力になり、「リオでは金メダルを狙おう」と。結果は銅で、とても悔しかったんですけど。

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