松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER
松岡修造の「何を上げているか?」に、
パラパワーリフター・大堂秀樹の答は。
text by
松岡修造Shuzo Matsuoka
photograph byYuki Suenaga
posted2019/03/19 10:00
前列左から、マクドナルド山本恵理、大堂秀樹、後列は吉田寿子局長。東京パラリンピックをみんなで目指す!
「220kg以上は上げたいです」
松岡「ハハハハ。さて、またマジメな話を聞かせてもらっていいですか。2020年の東京に向けて、今は肩に少し痛みがあるそうですが、どんな目標を掲げていますか」
大堂「これは外せないという大事な大会のスケジュールは決まってきているので、まずはそこに向けてどうコンディションを整えるか。今までは出る試合、出る試合、どんなに大きくても小さくても毎回100%の力を出してきたんですけど、それはもう止めようと思ってます」
松岡「東京までに一番大事な試合は?」
大堂「2019年の7月に開催される世界選手権。それに確実に出て、良い記録を残さなければなりません。あとは9月のパラリンピックのテストイベントと、ランキングを決める最後の試合。世界8位以内に入って、ランキングで東京パラの出場権を獲得するのが目標です」
松岡「記録としての目標はありますか」
大堂「220kg以上は上げたいです」
松岡「おお、220kg!」
大堂「それくらい上げないとメダルには届かないので。出場するには僕の階級だと207kgくらいだと思うんですよ。今のベストは195kgだけど、それはもう絶対に可能だと思っていて、さらにそこから13kgの上積みなら、頑張ればいけないことはないのかなと」
松岡「パワーリフティングの試合ではいきなりとんでもない記録が出ることもある」
大堂「まあ、ここ一番でひっくり返ることはありませんが」
松岡「じゃあ、自分で数字を申告して、それをいかに確実に上げられるか」
大堂「それができるか否かに掛かってます」
松岡「集中すること、無になることも大事だけど、相手との駆け引きも重要で、頭を使う競技なんですね。
「意外と頭を使うスポーツなんですよ」
大堂「ライバルとなりそうな選手の過去の記録などを全部調べていって、対策を練ります。あと同じ重さを上げた場合は体重が軽い選手が勝ちで、試技を行う順番は申請重量の軽い方からと決まっている。なので、試合中はコーチと連携を取って、誰が何kg上げたかを把握する必要がある。そこでいかに相手にプレッシャーをかけつつ、自分は追い込まれないようにするか。その駆け引きは、すごく重要な要素です」
松岡「試合中はライバルの動向も絶えず見ておかないといけないし、コーチとの連携も必要。スポーツとして見る場合、その駆け引きの部分も面白そうですね」
大堂「これ、意外と頭を使うスポーツなんですよ」