オリンピックへの道BACK NUMBER
真凜も認める末っ子の本田紗来。
「私たちの中でいちばんすごい」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2019/03/04 08:00
姉・望結と同じ芸能事務所に所属し、子役との二足のわらじを履いている。次戦は3月末の全関西ノービス競技会を予定。
「大きくなったら、世界一になりたい」
「自分らしく、というのを大事にしたいです」
本田は言う。
ジャンプ面で見せる技術力に加え、それは漠然とした言い方ながら、表現、見せる、という部分になる。
全日本ノービス選手権での成績によって推薦を受け、全日本ジュニア選手権にも出場したが、そのとき本田は、フリーのプログラム『ベビーフェース』に触れつつ、こう語っている。
「紗来にしかできないベビーフェースが演じられたと思います」
育ってきた環境からか、「人に見せたい、表現したい」という意識は強い。また、初対面の人に対しても物怖じしない気持ちの強さもきっと、環境で培われたのだろう。姉が「すごいんじゃないか」というのも納得できる所以である。
むろん、現段階で今後の活躍が約束されているわけではない。将来が楽しみな選手は、少し上の世代も含め、少なからず存在し、「注目されること」によって、つぶれていく選手だっている。
ただ言えるのは、未来は豊かに広がっているということだ。どのような道をこれから歩んでいけるかは自身の取り組みにかかっているにしても、それはたしかなことだ。
年齢の関係で、2022年の北京五輪の出場資格は現在のルールではない。オリンピックは2026年の大会を目指していくことになる。
「大きくなったら、世界一になりたいです」
遠い先への夢を現実にするのは、日々の取り組みにほかならない。今はただ、その歩みを見守りたい。
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