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レイカーズに調和を生んだ、ウォルトンの“愛”の指導。~“恐怖”とは対極にあるコーチングの方法論~
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2016/12/03 17:00
ウォルトンは'03年から'12年までレイカーズのFWとして活躍。'09年、'10年の2連覇を経験。
コーチには2つの道具がある。“愛”と“恐怖”だ。今年6月、弱冠36歳でロサンゼルス・レイカーズのヘッドコーチに就いたルーク・ウォルトンにとって、どちらを使うかの選択は簡単だった。
「僕は“愛”で導くようにしている」とウォルトンHC。「ヒッピーの両親にそう育てられたのだから、当然だよね」
ウォルトンの父は元NBA選手でバスケットボールの殿堂入りしているビル・ウォルトン。'70年代に愛と平和を訴えたヒッピー世代の一人だ。
「愛で導く」といっても、選手たちの好き放題にやらせるわけではない。
「選手たちには責任を持たせるようにしている。だめだったときにはそう言う。ただ、他の人の前で怒鳴ったり、人に恥をかかせたりするのは好きではないから、何かあれば、なるべく個別に伝えるようにしている」とウォルトンHCは言う。