プロ野球PRESSBACK NUMBER
雄星移籍の西武を救う新人トリオ。
松本、森脇、粟津の株が急上昇中。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2019/02/21 11:30
昨年の入団会見では松本が「新人王をとれるような活躍を見せたい」と宣言した。西武投手陣の底上げに期待がかかる。
松本の意識と、森脇の台頭。
松本は言う。
「シート打撃や紅白戦、オープン戦などで絶対に課題が出てくると思うので、その都度、対応していきたいですね。即戦力と言われることについて? はい、若干プレッシャーはありますけど、大学から入っているし、即戦力として獲得してもらっていると思うので、がんばらなきゃなって思います」
あくまで自然体で今後のマウンドに挑む。
ライオンズは今春、松本以外にも森脇亮介、粟津凱士の2投手が一軍キャンプに参加した。中でもキャンプ中に評価をぐんぐんと上げたのがドラフト6位、セガサミーから入団した森脇だ。
「豊田清さん以来」のフォーク。
足を大きく上げる独特のフォームと、フォークボールが持ち味の26歳である。
ライオンズにはフォークを投げる投手が極めて少ない。前出の上本ブルペン捕手は「豊田清さん以来の、フォークボールを決め球にできる投手」と森脇を表現する。
ソフトバンクとの相性の悪さに、縦の変化球を操れる投手がいないことが要因のひとつと指摘されることも多く、森脇には大きな注目が集まっている。
「西武にフォークを投げるピッチャーが少ないことは入団してから聞きました。フォークボールを投げるようになったのは、社会人1年目の秋からです。もともとは縦のスライダーを投げていたんですけど、徐々に打者があまり振ってくれなくなって、打たれることも増えた。そこで、よりストレートに近い軌道で落ちるボールがないかなと思ったときに、このフォークにたどり着きました」(森脇)
ただし、自信を持って投げられるようになったのは最近だと語る。
「全然、浅いですよ。たくさん練習したら『練習した』という自信はつくけれど、大事な試合で投げて、相手を抑えられなければ手応えはつかめません。本当の自信にはならないと思います。これまでは社会人の打者に投げてきて、ある程度の自信はつきましたけど、対プロの打者となると、またこれからの登板で自信を積み上げていくしかないと思っています」