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雄星移籍の西武を救う新人トリオ。
松本、森脇、粟津の株が急上昇中。
posted2019/02/21 11:30
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
マリナーズへの移籍で菊池雄星を欠いたライオンズにとって、今シーズンの最重要課題は先発投手の整備だろう。開幕投手は昨年パ・リーグ最多勝利を挙げた多和田真三郎と発表されたが、慢性的な駒不足はいまだ否めない。
そんな中、注目が集まっているのがドラフト1位ルーキーの松本航だ。
2月16日に行われた紅白戦では2イニングスを投げ、無安打無失点のデビューを果たした。
「とにかくプロのキャンプ自体が初めてですから、まずは自分の体力作りを第一に考えて練習してきました。その上で、チームの戦力となれるようにがんばろうと」(松本)
大学生のころと比較し、プロのほうがキャンプのスタートがやや早いこともあり、周囲に流されず、自分のペースを崩さずに練習している印象を受けた。
「一応、練習にはついていけていると思いますけど、プロの練習は質が高いですね。ブルペンで投げる球数は、今までの経験で決めています。変えて、変な感じになるのも困るので。あとは周囲を見て、必要以上に焦らないようにしています」
辻監督、渡辺久信GMなどが連日ブルペンに松本の投球を見に足を運んだが「もちろん意識はしましたけど、いいところを見せようとするとだめなので、気にしないようにしていました」と笑顔で語る。
力まず投げて、低めにぴゅっと。
ブルペンで連日、松本の投球を受けたブルペン捕手の上本達之はこう語った。
「球持ちがいい投手ですね。タイミングが取りづらいと思います。剛腕というよりは、きれいなまっすぐが低めにぴゅっと来る。バッターが見逃すケースが多いのは、タイミングが取れていない証拠でしょう」
初めてのシート打撃では「緊張して」最速が140キロ前半だったが、それについても上本ブルペン捕手は「初めてのプロのキャンプで、ちょうど体が疲れている、いちばんしんどい時期。それなのに、力んで投げていないところがいいと思います」と高く評価した。
「スコアブックを見た限りですが、カウントをとる段階で困っていないところを見ると、やっぱりドラフト1位だけあるなと思いました」(上本ブルペン捕手)