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2019年の川崎は全てを支配する。
お家芸の地上戦+ダミアンの空。
posted2019/02/18 17:30
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph by
Getty Images
とても大事なものがある。
“前哨戦”とも言われるFUJI XEROX SUPER CUPだが、その一戦に臨む川崎フロンターレの選手たちが見せる表情からは、そんな強い思いが感じられた。
カップ戦のタイトルのかかった大会ではあるが、何かの出場権を得られるものでもなければ、勝ち点をもらえるわけでもない。にもかかわらず、この一戦に向けた麻生グラウンドでは、連日にわたって強度と密度の高いメニューのトレーニングが行われ、開幕戦さながらの緊張感が漂っていた。
そして迎えた試合前日のこと。キャプテン・小林悠がこの一戦に向けたチーム全体の意気込みを代弁した。
「(ゼロックスは)昨年負けてすごく悔しかった。スタートを切るというところで、今年のキャンプや鬼さん(鬼木達監督)のトレーニングを見ても、『今年は最初から勝っていくぞ!』というのが伝わってくるし、選手もそれに応えようと練習を積んできた。とにかく結果にこだわって、フロンターレらしくなくてもしっかりと勝てるようにしたい」
憲剛「いつも通りだった」
いざフタを開けると、昨季の天皇杯王者である浦和レッズに完勝した。強い思いを持って臨み、しっかりと勝ち切った。スコアこそ1-0だったが、内容でも終始圧倒したと言ってもいいだろう。浦和に打たれたシュートがわずか1本だったと言う事実が、それを物語っている。
試合後の中村憲剛は、初めてのカップ戦のタイトル獲得に「素直に嬉しい」と感想を述べている。そして結果だけではなく、内容的にも十分な収穫があったことを振り返っている。
「自分たちが浦和に対して用意してきたことと、本来の自分たちがやるべきことが合致した。なので、いつも通りといえば、いつも通りだった。向こうも(守備の)最終的なところで粘ったり、(ゴールが)オフサイドになったりと色々あったが、試合の手応え自体は悪くなかった」
中村の「いつも通りといえば、いつも通りだった」という言葉は印象的だ。
一発勝負のカップ戦、さらにレアンドロ・ダミアンとマギーニョがスタメンで出場し、新戦力との融合というテーマがあった中でも、この日の川崎は「いつも通りにやれた」というわけである。