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ミシャ「カウンターは仕方ない」
それでも札幌は攻めて優勝を目指す。
posted2019/02/19 11:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE
昨シーズン、4位とクラブ史上最高順位を達成した北海道コンサドーレ札幌。
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(通称ミシャ)の標榜する攻撃サッカーが1年目から開花し、リーグ戦の台風の目になった。ミシャは、わずか1年でスタイルを変え、成長したチームに大きな手応えを感じたという。
「昨年、札幌のスタイルは大きく変わりました。私が来る前の札幌のサッカーは守備的でしたが、昨年1年で我々が仕掛けて相手が守るという試合が増えました。札幌に対してガンバや鹿島が引いてカウンターを狙ってきたというのは、いかに札幌に対する見方が変わったかということでしょう。そういう意味で札幌は大きな前進をしたと思います」
もちろん、今シーズンも札幌への期待度は非常に高い。
大幅な若返りに成功した2018年。
ミシャ体制2年目となり、独特な戦術がさらに浸透し、より連動性を活かした攻撃が可能になる。戦力的には主力の都倉賢や三好康児に加え、チームを支えた河合竜二、稲本潤一、兵藤慎剛らベテラン選手が引退や移籍でチームを去った。
だが、新たに岩崎悠人、中野嘉大、鈴木武蔵、アンデルソン・ロペスらを獲得し、戦力をアップさせるのと同時に、チームの若返りにも成功している。ミシャは、活きのいい若い選手を起用して育てていくのを好む指揮官だが、昨年の選手起用や今回の選手補強にも、その傾向が見て取れる。
「2017年は試合に出ている選手の平均年齢がJリーグでは札幌が一番上だったと思いますが、昨年のスタメンはおそらく年齢がもっとも若いチームに生まれ変わったと思います。札幌は決して資金力が豊富なチームではないので、完成したスター選手を取ることができない。若い選手をしっかり育てながら試合を戦い、チームとして強くなっていくことが求められています。
今年も若い選手を獲得し、チームの若返りを図り、そのチームでさらに上を目指していきたい。それが今シーズン、我々の目標のひとつです」