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中島翔哉が語るカタール移籍の理由。
PSG行きは未定、欧州への再上陸は?
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byconnect
posted2019/02/12 11:00
44億円とも言われる額でアル・ドゥハイルに移籍した中島翔哉。彼への期待は想像以上に大きいのだ。
W杯に向けてカタールでのプレーはプラス。
2月14日から再開するカタール・スターズリーグで、アル・ドゥハイルはアル・サッドに次いで2位につけている。今シーズンのAFCチャンピオンズ・リーグ(以下ACL)には、昨シーズンのカタール王者としてグループステージからの出場が決まっている。
カタールは2022年のW杯開催国だ。来るべき大舞台に備えてカタールでプレーすることには意味があり、ACLでサウジアラビア、UAE、イラン、ウズベキスタンといった国のクラブと対戦することは、日本代表の活動にもプラスに働く。各国の代表クラスのプレーを日常的に肌で感じ、中東でのアウェイゲームに時差や移動の影響を受けることなく参加できる。
アル・ドゥハイルの保有戦力に不足はなく、日本代表での活躍につながる国際的な経験を積むことができる。1月に就任した新監督も凄腕だ。
ポルトガル人指揮官のルイ・ファリアは、インテル・ミラノ、レアル・マドリー、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッドでジョゼ・モウリーニョのアシスタントコーチを務めてきた。監督の肩書きを持つのは今回が初めてだが、知識と経験が豊富な43歳との出会いは、中島の成長を手助けしていくのではないだろうか。
ファリア監督との関係については、中島も好感触を得ているようだ。
「監督とは移籍が決まる前に何度か話して、『チームに来て欲しい』と言っていただきました。普段からとても良い人で、友人のように接してくれる部分もあるので、ピッチ内でもとてもやりやすさを感じています」
PSG移籍の道筋は「断言できない」。
中島とアル・ドゥハイルの契約は、4年半と伝えられている。しかし、カタールの投資ファンド『QSI』が所有するパリ・サンジェルマンが、今シーズン終了後の移籍市場でこの日本人MFの獲得に乗り出すのでは、との憶測も飛び交う。
中島のマネジメント担当者によれば、「パリへの移籍への道筋がついているとは断言できない」という。ただ、カタールからもう一度ヨーロッパへ乗り込むことは、「もちろん頭に入っている」とのことだ。
アル・ドゥハイルの社長は中島に大きな期待を寄せており、彼の将来性にも理解を示している。まずはとにかく新天地で結果を残し、そのうえでオファーが届けば中島の意思を尊重する可能性はありそうだ。