大相撲PRESSBACK NUMBER
「部屋」視点で見るパワーバランス。
相撲界を次に騒がすのは誰なのか。
text by
西尾克洋Katsuhiro Nishio
photograph byKyodo News
posted2019/02/08 08:00
玉鷲の優勝も予想が難しかったが、ここからの展開も予想が難しい。まさに群雄割拠なのだ。
2019年の、さらに先へ。
最後に、これから注目してほしい新興部屋を紹介したい。元魁皇の浅香山部屋と、元武蔵丸の武蔵川部屋である。
いずれも叩き上げが中心なのだが、浅香山部屋は魁勝が幕下7枚目で勝ち越しており、初の関取誕生も目の前である。そして武蔵川部屋は当初親方の甥の武蔵國が話題だったが、ここに来て20歳前後の若手が次々と幕下三段目に顔を出している。
特に争奪戦を制して獲得した徳田は18歳ながらも既に幕下に昇進し、今場所は幕下50枚目で勝ち越している。新興部屋でこれだけ多くの叩き上げが門を叩くのは異例のことだ。数年後、この2つの部屋が関取を多く輩出することになっても驚かない。
何が起こるかわからない2019年の大相撲も興味深いが、その先に目を向けると大相撲はさらに面白い。稀勢の里のドラマが終焉を迎えた今、誰が次のドラマを産み出すのか注目しながらテレビやネット中継を見るのも一興である。