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今季Bリーグ最大のサプライズ!?
中地区首位の新潟を導くベテラン力。
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph byB.LEAGUE
posted2019/02/07 07:00
得点ランク首位(2月5日時点)のガードナー(左)と五十嵐(中央)のコンビプレーにも注目だ。
一度流れを失っても食い下がる。
しかし新潟は第3クォーターに再びつまずく。川崎に立て続けにアウトサイドシュートを許して中盤に逆転されると、オフェンスではターンオーバーが続いて得点が止まる。
ディフェンスのプレッシャーをさらに強めてくる川崎に対して受け身に回ってしまい、このクォーターは8得点のみ。9点のビハインドを背負って第4クォーターを迎えることとなった。
昨シーズンまでの新潟であれば、一度失った流れを取り戻せないまま一気に引き離されてしまうことが多かった。
だが、シーズン前半の戦いを振り返っても、千葉ジェッツや栃木ブレックスといった強豪との対戦はいずれも敗れたとはいえすべて接戦。相手が引き離しにかかる場面でも我慢を重ねて食い下がった。
かつてのMVP、柏木の手応え。
そしてこの試合でも、新潟は川崎を追い詰める。ビハインドが10点になったところから、新潟は柏木の得点を皮切りに8点を連取して2点差に迫る。
川崎も辻とファジーカスの得点で逆転を許さないが、流れが川崎に傾きかけても新潟はガードナーの連続得点で追随。残り40秒の五十嵐の得点で3点差となり、新潟に最後の逆転のチャンスが訪れる。
しかし、厳しいディフェンスも実らずバーノン・マクリンにバスケットカウントを許し、その後のポゼッションで五十嵐が放った3ポイントはリングに弾かれ、66-71でタイムアップ。川崎との今季初対決は黒星となり、連勝も9でストップとなった。
シーズン後半の大きなカギになる川崎戦の初戦を落とした新潟。しかし、チームに落胆の色は見られなかった。それは、ここまで土台を築いてきた自分たちへの確信によるところが大きい。
チームの優勝や自身のMVPなど、華やかな経歴を持つ柏木は、開幕して間もない時期に「強いチームはやるべきことを徹底できるし、我慢もできる。自分たちもそうなっていかなければいけない」と自らの実体験を基に語っていた。試合を重ねてきた今、柏木は確かな手応えを感じている。