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カタール優勝で地殻変動のアジア。
潤沢な資本を賢く使う国家の脅威。

posted2019/02/05 10:30

 
カタール優勝で地殻変動のアジア。潤沢な資本を賢く使う国家の脅威。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

アルモエズ・アリらのスーパーゴールが強烈な印象を残す一方で、カタール代表は組織の熟成度も高かった。

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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Takuya Sugiyama

 アジアカップ開幕前に、シャビ・エルナンデスがカタールのテレビ番組で同国を優勝に推したと知った時、きっとリップサービスだと思っていた。2015年に高待遇で迎えてくれた国の代表チームを応援しないわけにはいかないだろうし、数年間の満たされた生活のなかでそこは彼の第二の故郷になっているのかもしれない。

 だから予想にバイアスがかかったとしてもおかしくはない。そんな風に、高を括っていた。

 しかし39歳になったティキタカの始祖は、やはりフットボールの賢者だった。過去の最高成績がベスト8にすぎず、ワールドカップ出場経験も持たないカタールの優勝を信じ、その通りになった。ちなみに史上最高の元スペイン代表MFのひとりは日本の準優勝やイランの4強入りに加え、8強のうち7チームまでも的中させている。

国家プロジェクトの成果。

 フットボール史における重要な事象なので、あらためて書いておく。カタールがアジアカップで初優勝を成し遂げた。

 決勝では最多優勝記録を持つ日本を技で凌駕し、運まで引き寄せて完勝。アルモエズ・アリはバイシクルで大会最多得点記録を塗り替え、アブドゥラジズ・ハテムは韓国戦に続いて左足の強烈なミドルをねじ込んだ。どちらも異論の余地なきスーパーゴールだった。

 後半には日本も反撃して南野拓実のゴールで1点差としたが、優位に立った時間に追加点を決められず、主将の吉田麻也がボックス内でテクノロジーの裁きを受け万事休す。アクラム・アフィフに落ち着き払ったPKを沈められ、勝負は決した。

 ペルシャ湾岸に位置する人口約280万人(うち市民権所有者は31万人ほど)の国がアジアの頂点に立った。それは15年前に始めた国家プロジェクトのひとつの成果を意味する。

 国家元首アルサーニ主導の壮大な計画は2004年、ドーハにアスパイヤ・アカデミーを創立したところから始まった。2.5キロ四方の広大な敷地に最新鋭の設備を備え、主にスペイン人たちの優秀なコーチを招聘し、シャビもここで指導を始めているという。

【次ページ】 決勝の先発7人が卒業生。

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