フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
13歳で全米制覇のアリサ・リュウ。
フィギュア界に新たなスター誕生か。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byGregory Shamus/Getty Images
posted2019/02/02 08:00
13歳にして全米制覇したアリサ・リュウ。3アクセルもマスターしており、末恐ろしい才能と言える。
世界ジュニア選手権に出られない理由。
13歳の天才少女の出現に、アメリカのメディア界は大きな注目を寄せた。
リュウは早速『トゥナイトショー』など、米国の人気トークショーに招待されて出演。あどけない笑顔で、一躍人気者になった。
ところが全米チャンピオンになりながらも、彼女は今シーズン、埼玉で開催される世界選手権はもちろんのこと、世界ジュニア選手権にも出場することはできない。ジュニアの国際大会に出るための年齢規定は、そのシーズンが始まる年の7月1日までに13歳になっていることだ(シニアは15歳)。8月8日生まれの彼女は、1カ月ほど規定年齢に足りないのである。
だがコーチのローラ・リペツキーは、これを前向きに受け止めている。
「国際大会の実情については、良いように解釈しています。彼女はもっと練習を重ねてもっと強くなって、世界のベストに対抗する準備をする時間がたっぷりあるわけですから」
北京オリンピックの期待の星として。
リュウがジュニアGPシリーズに登場するのは、来シーズンからになる。そしてさらに彼女がシニアの国際大会デビューするのは、興味深いことに2年後の2021/2022年。北京オリンピックが開催されるシーズンである。
アメリカのマスコミが熱くなるのも根拠がないことではない。
平昌オリンピックで優勝したロシアのアリーナ・ザギトワは、まさにシニア国際試合デビューをしたそのシーズンに、センセーションを巻き起こした。そしてGPファイナル、欧州選手権と勢いがついたまま、シニアにあがったわずか半年後に、オリンピック金メダリストになったのである。
リュウなら、ザギトワが成し遂げたのと同じことができるのではないかと、今から期待が盛り上がっているのだろう。