バレーボールPRESSBACK NUMBER
春高バレー、大山加奈らの提言。
「選手の将来を守ってあげたい」
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2019/01/23 11:00
圧倒的な決定力を誇る鎮西の絶対的エース水町泰杜。清風との準決勝でも両チーム最多の25得点を挙げた。
経験則にプラスした要素を。
鎮西の例に限らず、バレーボールは未だ過去の栄光が取り上げられがちで、水町のようなエースを見ても「昔はあれぐらい普通だ」ととらえる人も残念ながら少なくない。
だが高校野球でも球数制限や猛暑での開催がかける負荷について議論されているように、「昔はこうだった」の経験則だけではなく、アップデートが求められている。
バレーボール界の将来を担う選手たちの可能性を潰さぬために何ができるか。協会主体の栄養指導でもいい。ベンチにトレーナー帯同の義務化でもいい。日程の見直しでもいい。求められる変化はあるはずだ。
困難な状況でも「自分がエースだ」と諦めることなく挑み続けた水町の姿を、ただ「かわいそう」で終わらせぬためにも。勝ったのに「苦しい」と涙を浮かべる選手の姿など、もう見たくない。