サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
森保監督が見せた勝負師の顔に感服。
大胆ターンオーバーの巨大な効果。
posted2019/01/18 11:20
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO
アジアカップで最初の大きなチャレンジに、森保一監督は勝利した。
1月17日のウズベキスタン戦で、50歳の指揮官は大胆なターンオーバーを採用した。4日前のオマーン戦から、スタメンを10人入れ替えたのである。2試合連続の先発は、北川航也ひとりだった。
2011年大会以来5度目のアジア制覇を成し遂げるには、決勝トーナメント1回戦から12日間で4試合を消化しなければならない。ノックアウト方式の戦いは、90分で決着がつかなければ延長戦もある。対戦相手との力関係が拮抗していくサバイバルでは、バックアッパーを含めたチームの総合力が問われるのだ。
そこでターンオーバーである。
前半は決してよくなかった。
トルクメニスタン戦、オマーン戦に連続出場した選手は、ウズベキスタン戦をスキップすることで決勝トーナメント1回戦を中7日で迎えられる。一方で、昨年12月上旬を最後に実戦から遠ざかっていた国内組の控え選手は、ゲーム勘やゲーム体力を磨いておきたい。
所属クラブで出場機会の限られている海外組も同様だ。グループリーグのうちに控え選手をピッチに立たせ、コンディションを目覚めさせておくのは、頂点に立つために不可欠なプロセスだったと言える。
もちろん、大胆なターンオーバーにはリスクも伴う。
ウズベキスタンに負けるようなことがあれば、チームは勢いを削がれてしまう。第1戦、第2戦で交代枠を余らせた森保監督の采配に、改めて疑問符がつきかねない。
前半のチームパフォーマンスは、必ずしも良いものではなかった。攻撃のスイッチが意図的に入らず、コンビネーションによる崩しもなかなか見られない。ディフェンスは個の力で剥がされる場面が散見された。40分に喫した先制点は、前2試合で3得点のエルドル・ショムロドフを槙野智章と三浦弦太が止めきれなかったことによる。