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筒香、菊池、秋山のメジャー願望を
難しくする、FA時点での年齢問題。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byKyodo News
posted2019/01/13 11:30
筒香嘉智はトレーニングにもアメリカ式を早くから取り入れ、メジャーへの意欲を表明している。
日本でFA選手が活躍するケースが少ない理由。
そう考えると、そもそも「国内FA権取得まで8年」というのが長い。
前述のように最速でFA権を取得する選手は少数派だ。「貴重な数年間」を失った選手の成績が下降し、怪我のリスクが増える。日本で過去にFAで移籍した選手が活躍するケースが少ないのも当然だ。
ただし、前出の青木のように、30歳前後で「メジャー挑戦」を果たして「逆風」を突き破ってしまった日本人野手もいる。
青木はオプション契約が終わる3年目、年俸2億円以下だった。ところが同年、トレード先のカンザスシティー・ロイヤルズでア・リーグ優勝に貢献したことが評価され、翌2015年はサンフランシスコ・ジャイアンツと33歳で単年470万ドル(1年オプション付き)で契約している。年俸約5億円への大型昇給だ。
さらに34歳の2016年はマリナーズと、35歳の2017年はヒューストン・アストロズとそれぞれ単年550万ドルとさらに「額」を上げている。
日本で築いた地位を捨て、安定した生活を捨てる覚悟を決めて「メジャー挑戦」を果たせば、そういう可能性が生まれる。
そう言えば、冒頭に言葉を引用させて頂いたイチローが、こんなことも言っている。
「何事も前向きに行動することが可能性を生むんです」。
新しい時代に訪れそうな日本人野手の「メジャー挑戦」。年齢という名の「逆風」を突き抜けることはできるだろうか。