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筒香、菊池、秋山のメジャー願望を
難しくする、FA時点での年齢問題。
posted2019/01/13 11:30
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Kyodo News
『逆風は嫌いではなく、ありがたい。
どんなことも、逆風がなければ次のステップにいけないから』
――イチロー
今オフ、DeNAベイスターズの筒香嘉智を筆頭に、広島東洋カープの菊池涼介や西武ライオンズの秋山翔吾が、将来的に「メジャー挑戦」の意思があることを表明した。
たった3人ではあるが、日本人野手が何人も「メジャー挑戦」の意思を明らかにするのは珍しい。イチロー(と新庄剛志)以降の数年間、松井秀喜や松井稼頭央、井口資仁や城島健司らが「メジャー挑戦」を果たした頃を思い出す。
大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)の活躍で何かが変わったのだろうか。それとも「世界を目指す」機運みたいなものが生まれているのだろうか。理由は分からないが、大谷のようにアマチュア時代から「世界」を目指す若者もいるぐらいだ。そんなに驚くようなことではないだろう。
十人十色とは言うけれど、「メジャー挑戦」の表現は違う。日本メディアの各報道によると、彼らはそれぞれこう言ったそうだ。
「小さい頃からの夢。そういう思いがあることを伝えた」(筒香)
「野球をやっている以上、トップのレベルでやりたい。僕もその1人」(菊池)
「来年1年しっかりやった上で、どういう感情があるか」(秋山)
来年実現しても、秋山は32歳。
少し気になるのは、彼らの「メジャー挑戦」が実現する時の年齢だ。
最年長の秋山は1988年生まれの現在30歳。菊池は1990年生まれの28歳。そして筒香は1991年生まれの27歳である。彼らは今季、日本でプレーすることが決まっているので、来年に「メジャー挑戦」が実現するとしたら、それぞれ32歳、30歳、29歳になっている。
それで思い出すのは、今から4年前、福岡ソフトバンクホークスの松田宣浩内野手が、海外FA権を取得して「メジャー挑戦」するという話になった時のことだ。
日本の報道によると、当時32歳の松田には幾つかの球団が興味を示し、サンディエゴ・パドレスが2年総額4億円(3年目は球団オプション)のメジャー契約を提示したとされている。
年俸2億円のFA選手というのはメジャーではかなり安い方の部類に入る。松田は結局、4年総額16億円プラス出来高払いでホークスに残留し、「メジャー挑戦」を諦めたが、その決断を責めることは誰にもできないだろう。