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30歳で公務員を辞めてオランダへ。
ホッケー田中健太、最強国での日々。
text by
中田徹Toru Nakata
photograph byAFLO
posted2018/12/24 09:00
オランダの地でホッケー選手としてのキャリアを積んでいる田中健太。その経験は必ずや糧となる。
「まじでスター選手ばかり」
ホッケーにおいて、オランダリーグは世界最高のレベルを誇っている。ユーロ・ホッケーリーグ(EHL)では、常にオランダとドイツのクラブが優勝を争っている。
昨季のEHLは優勝ブルーメンダール、準優勝カンポン、3位ロッテルダムと、ベスト4のうち、3つをオランダ勢が占めた。
「オランダリーグには世界から選手が来ています。 僕のチームですとベルギー、イングランド、オーストラリア。他のチームにはアルゼンチン、パキスタンとか。だけど、インド人はオランダリーグにいないんです。彼らは代表チームの活動を優先しているようで、あまり海外に出てきません」
まるで“ホッケーのプレミアリーグ”だなと思った。
「そうです。まじでスター選手ばかりです。ホッケーで生活できる国はオランダだけだと思います。練習のレベルも高いので感覚が良いし、楽しいです。日々、国際試合です」
日本代表に戻って感じたこと。
8月20日から始まったアジア大会の日本代表に合流するため、田中は直接オランダからインドネシアへ飛んだ。
練習中、田中は「メリハリがない。声が少なく、盛り上がりもない。ただ、練習をこなしているだけ。みんな、自分のことしかしてない」と感じ、「大会が始まるんだから、盛り上げる声も必要だ」と仲間に言った。
「もしかしたら、オランダに行かずにずっと日本代表でプレーしていたら、気付かなかったことかもしれません。オランダでは練習中、良いプレーをすると声をかけてくる。そんな当たり前なことができないぐらい、(日本代表の練習の雰囲気が)マンネリ化していた。
ずっと同じ環境にいたら、そうなるのかもしれません。海外に選手が出て行って、日本代表で集まったら、新鮮な気持ちになって良いですね」