野球のぼせもんBACK NUMBER
松坂世代・和田毅が懸命のリハビリ。
ホークス最年長と50万本のワクチン。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2018/12/20 07:00
今年2月の宮崎キャンプで37歳の誕生日をファンと過ごした和田。来季での復活を期す。
ブルペンで投球練習を開始。
ただ、この冬、和田の表情は明るい。
11月の終わりに「年内にはブルペンで投げたい」との意向を示していたが、すでに複数回ブルペンで投球練習を行なっているようだ。
「いや、僕の中ではピッチングとは呼べない。まだ傾斜でキャッチボールをしている段階です」
ただ、リハビリ中には必ずやってくる状態の上がり下がりはすっかり無くなったという。
「ずっといい状態をキープできているというか、上がっている。このまま行ってくれることを信じたい」
またマウンドに帰ってくれば、たくさんの笑顔を世界中に届けることができる。それは和田の確かなモチベーションになっている。
1人の野球人として思うこと。
和田は思いを巡らしながら言葉を継いだ。
「カブスで同僚だったアンソニー・リゾという強打者(メジャー通算191本塁打)がいるんですが、彼が自分のインスタグラムに小児がん患者やその家族を支援するための『チャリティー・ウォーク』を行なったと書いていたんです。
彼自身も病気(レッドソックス傘下のマイナーに所属していた2008年に、ホジキンリンパ腫と診断され、その後克服)をした経験があり、その時に支援の重要さを学び、熱心に活動を行っているらしいのです。それも1つの形だと思います。
また、それとは別に1人の野球に関わる人間として、野球人口の減少には危機感を持っています。野球はたくさんの道具が必要でお金がかかるスポーツです。家庭の経済的理由で断念せざるを得ない子どももいると思います。それならば、プロ野球選手が、未来のプロ野球選手のために支援を行うのもいいと思います。
たとえばボールやグラブだけではなくて、1人の選手が野球用具一式をプレゼントするとか。熱い思いを作文にしてもらって、その中から選んだり。何か手を打っていかないといけないのかなと感じています」