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松坂世代・和田毅が懸命のリハビリ。
ホークス最年長と50万本のワクチン。 

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byKyodo News

posted2018/12/20 07:00

松坂世代・和田毅が懸命のリハビリ。ホークス最年長と50万本のワクチン。<Number Web> photograph by Kyodo News

今年2月の宮崎キャンプで37歳の誕生日をファンと過ごした和田。来季での復活を期す。

ワクチンを送る「僕のルール」。

 和田もプロ3年目の'05年シーズンから「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」を通じてワクチンを寄贈する活動を、現在も行なっている。

 試合で1球を投じるごとにポリオワクチンを10本、勝利した試合は1球ごとに20本、完投勝利はそれを30本、チームがリーグ優勝や日本一を達成した場合は各1万本追加など「僕のルール」を設定して寄付を行なっている。

 昨年までの累計は50万本を超えた。

「最初に目標にしていた100万本にはまだまだ届いていませんが、委員会の方から聞いたところによると、僕が活動を行ない始めた当初に比べて亡くなる子供の数は減っているらしいのです。

 今年は全く投げられませんでしたが、3万本分ほどを寄付させていただきました。本当は自分が試合でたくさん投げて、チームが勝ってたくさんの本数を届けられるのがいいんですけど」

プロ入り初の一軍登板ゼロ。

 今年、和田は苦しいシーズンを過ごした。

 2月の春季キャンプで左肩に違和感を覚えて、戦いの輪から離脱。5月になって実戦復帰を果たして二軍戦と三軍戦の計3試合に登板したが、再び強い張りを訴えるなどしてリハビリへ逆戻り。その後も「一進一退。ある程度の距離を投げられても、短い距離で強いボールがなかなか投げられない」ともがいていた。

 米大リーグに所属していた年を除いて、プロに入って一軍で登板ゼロに終わったのは初めてだった。このオフ、ホークスではベテラン陣の粛清が行われた。沢村賞投手の攝津正、中継ぎのスペシャリストの五十嵐亮太がチームを去った。和田はチーム最年長になった。

「このトシになると早生まれは得な気分になりますよね(笑)」

 来年2月に38歳になる。いわゆる松坂世代。ホークスで互いを高め合った杉内俊哉はユニフォームを脱いだ。残る現役同級生は8人である。

 12月も和田にオフはない。チームメイトが日本一のご褒美でハワイ旅行を楽しんでいた頃も、筑後の球団施設を訪ねると懸命にトレーニングに励む姿があった。

「片道1時間以上の運転はしんどい。ただ、リハビリだから仕方ないですけどね」

【次ページ】 ブルペンで投球練習を開始。

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