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<38歳の脱長老宣言>
中村憲剛「“ナカムラ史上最高”更新中」

posted2018/12/16 06:00

 
<38歳の脱長老宣言>中村憲剛「“ナカムラ史上最高”更新中」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

一時は勝ち点13差をつけられた広島を逆転し、2試合を残してJ1優勝を決めた。

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北條聡

北條聡Satoshi Hojo

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J.LEAGUE

 川崎フロンターレ一筋16年。Jリーグ2連覇を達成した常勝クラブの象徴として存在感を放ち続ける大ベテランは、この先に何を見据えるのか。危機感と生存本能を研ぎ澄まし、新たな自分を追い求める38歳が描く理想の境地とは――。

 あだ名は「長老」である。

 すでに38歳。サッカーの世界では大ベテランと呼ばれる年齢だ。普通なら、最盛期はとっくに過ぎている。

 中村憲剛は、普通ではない。

 ここ数年、自身の状態について問われるたびに、同じセリフを繰り返してきた。

「いまが『中村史上最高』ですよ」

 一昨年も、昨年も、そして、今年もまた「最高の自分」を更新中なのだ。ジョークでも、ハッタリでもない。近年の実績が、それを雄弁に物語っている。

 個人タイトルの最高峰であるJ1リーグ年間MVP(最優秀選手賞)を受賞したのは一昨年のことだ。当時36歳。歴代受賞者のなかでは最高齢になる。本人にとってはキャリア初の快挙でもあった。

 昨年もJ1随一の司令塔と呼ぶにふさわしい卓抜したパフォーマンスを披露。プロ入り以来、一貫して籍を置く川崎フロンターレに悲願のリーグタイトルをもたらし、優勝が決まった瞬間には、人目もはばからず、男泣きした。

 これが長いサッカー人生の集大成――そう思わせるほどの充実ぶりだったと言ってもいい。だが、物語には続きがあった。

 今年、J1王者の川崎Fは史上5クラブ目となるリーグ連覇を達成。チームの中心には、常に中村の姿があったのである。

 衰え知らず、といったレベルの話ではない。昨年から明らかにバージョンアップされた「新しい中村」が、そこにいた。

 いったい、何が新しかったのか。それは「狩り」の味を覚えたことにある。守りに回ると、敵に激しく圧力をかけ、ボールをかすめ取るプレスの急先鋒として、目覚ましい働きを演じることになった。

「自分が常にスイッチャー(攻から守への切り換え役)になること。今年の最もやるべきことは、そこだと思っている」

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
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