Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

<ラグビー日本代表2018年総括>
リーチマイケル
「神懸かるキャプテン」

posted2018/12/14 06:00

 
<ラグビー日本代表2018年総括>リーチマイケル「神懸かるキャプテン」<Number Web> photograph by Tomoki Momozono

イングランド戦の前半31分、4人抜きの豪快なトライを決めてジャパンを勢いづけた。

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph by

Tomoki Momozono

 自国開催の2019年W杯開幕まで、あと300日を切った。  ジェイミー・ジョセフ率いるラグビー日本代表はこの11月、W杯前年の強化の締めくくりとしてイングランド遠征を敢行。  そのシリーズで誰よりも走り回り、献身的に身体を張り続け、圧巻のプレーを披露したのが、我らが頼れる主将であった。  好調の要因は、1年前に彼自身が発した言葉にある――。

 あれはマイケル・ジョーダンの形をした神だ――。1980年代、バスケットボールのNBAで驚異的なパフォーマンスをみせたマイケル・ジョーダンに、ライバルのラリー・バードが捧げた賛辞である。

 そんな言葉を思い出したのは、目の前で躍動する、21世紀のマイケルのパフォーマンスがあまりにも素晴らしかったからだ。ここにいるのも、実は、マイケル・リーチの姿を借りた神なのではないか……そんな思いが頭をよぎった。

 11月17日。英国ロンドン郊外にあるラグビーの聖地トゥイッケナムには、8万1151人の観衆が詰めかけていた。その中で目を見張るプレーを披露したのが、ラグビー日本代表のキャプテン、リーチマイケルだった。

 8万の観衆が驚愕したのは前半31分だ。

 中盤の混戦からWTB福岡堅樹が左サイドを前進。SH田中史朗のリズミカルなパスからLOヴィンピー・ファンデルヴァルト、HO坂手淳史が縦にくさびを打ち込み、右へ。WTB山田章仁が相手3人のタックルに耐えて放ったボールを右タッチライン際でキャッチしたのがリーチだった。

 タックラー3人に囲まれながら、リーチは掴まれかけた体をねじり、足元を襲う相手を蹴散らし、大きなストライドで一気に加速。30mを独走するとゴール前でFBエリオット・デーリーを特大ステップでかわし、インゴールへ飛び込んだ。190cm、110kgの豪快な走りに、トゥイッケナムのスタンドが揺れた。

 さらに38分にも、山田からのパスを右隅で受けるとタッチライン際を猛然と突き抜け、ゴールライン寸前まで30mを爆走。さすがに懲りたイングランドのカバーディフェンスにゴール寸前で阻まれ、内へのパスは相手がカット。惜しくもトライにはならなかったが、立て続けの豪快かつしなやかな走りに、スタジアムには戸惑いの空気が漂った。前半は15-10と日本がリードを奪ったのだ。

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
ウェブ有料会員になると続きをお読みいただけます。

ジェイミー・ジョセフ
リーチ マイケル

ラグビーの前後のコラム

ページトップ